大友親世

大友親世は、南北朝時代から室町時代にかけての武将であり、豊後国の大友氏第10代当主として知られています。式部家の祖としても名を残しています。

1368年、父である氏時の死後、兄の氏継が南朝方についたため、親世は北朝方として家督を継承しました。この時期、南北朝の対立は激化しており、親世は北朝を支持することで、大友氏の勢力維持を図ったと考えられます。

1371年、足利義満の命により九州探題として赴任した今川貞世（了俊）の九州平定に協力し、田原氏能らと共に南朝勢力の排除に尽力しました。しかし、1375年に島津氏久と共に了俊に招かれた際、同席していた少弐冬資が了俊によって暗殺されるという事件（水島の変）が発生しました。この事件を契機に、親世は了俊に対して強い不信感を抱くようになります。

さらに、了俊の勢力拡大を恐れた親世は、了俊に従っていた吉弘氏輔の弟・氏郷を殺害するなど、対立を深めていきました。そして、将軍義満や妻の兄弟である大内義弘と共謀し、了俊の失脚に大きく貢献しました。この背景には、九州における勢力争いがあり、親世は了俊を排除することで、大友氏の地位を確立しようとしたと考えられます。

その後も親世は幕府に仕え、その功績が認められ、豊後守護職の他に検非違使や惣追捕使などにも任じられました。これらの役職を通じて、親世は幕府の権力基盤を支え、地域社会の安定に貢献しました。晩年には祖高と号し、静かな余生を送りました。

1418年に死去し、その後は甥の親著が家督を継承しました。大友親世は、激動の時代を生き抜き、大友氏の勢力拡大に貢献した人物として、歴史に名を刻んでいます。

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