大友貞順

大友貞順について

大友貞順（おおとも さだより）は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将であり、大友氏の一族に生まれました。

生涯

貞順は、大友氏6代当主である大友貞宗の庶長子として生を受けました。しかし、嫡子ではなかったため、家督を継ぐ立場にはありませんでした。元弘3年/正慶2年（1333年）、父である貞宗は、弟の千代松丸（後の大友氏泰）に家督を譲ります。この決定に不満を持った貞順は、翌元弘4年/建武元年（1334年）に父が亡くなると、宗家から独立し、氏泰と対立する道を選びました。

建武の新政が崩壊し、南北朝の動乱が始まった建武3年/延元元年（1336年）、貞順は南朝方として菊池氏につき、多々良浜の戦いで足利尊氏ら北朝方と激戦を繰り広げました。しかし、多々良浜の戦いは南朝方の敗北に終わり、足利尊氏が九州を離れた後も、氏泰や少弐頼尚といった北朝方の有力大名が勢力を拡大し、南朝方は苦境に立たされました。このような状況下でも、貞順は南朝方の武将として戦い続けました。しかし、興国6年/貞和元年（1345年）には、氏泰との間で和睦が成立し、北朝方に帰参することになります。その後、足利尊氏から所領を安堵され、一時は平穏を取り戻しました。

しかし、その後の動向ははっきりとはしていませんが、貞順は再び大友宗家と対立し、謀反を起こしたと伝えられています。最終的に、北朝方の軍勢に攻められ、自害したとされています。貞順の生涯は、南北朝時代の激しい動乱の中で、自身の立場や信念を貫き、波乱に満ちたものであったと言えるでしょう。

補足

大友貞順の生涯は、資料が少なく不明な点も多いですが、大友氏の内部抗争や南北朝時代の動乱を象徴する人物の一人として、歴史に名を残しています。彼の行動は、当時の社会情勢や武士の生き様を考える上で、重要な手がかりを与えてくれるでしょう。

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