大友貞宗

大友貞宗（おおとも さだむね）は、鎌倉時代末期に活躍した武将であり、大友氏の6代目当主として知られています。彼の名にある「貞」の字は、当時の鎌倉幕府の執権であった北条貞時より賜ったものと考えられています。

生涯

1311年、兄である貞親の死去に伴い、家督を継承し大友氏の当主となりました。当初、幕府から派遣されていた鎮西探題の北条英時に仕えていました。1333年、後醍醐天皇の密命を受けた菊池武時が挙兵すると、貞宗は英時や少弐貞経らと共にこれを迎え撃ち、武時を討ち取ることに成功しました。その後も九州における討幕勢力の鎮圧に尽力しましたが、同年5月、足利尊氏らの活躍により京都の六波羅探題が陥落すると、討幕軍の勢いが九州にまで波及しました。

この情勢の変化を受け、貞宗は貞経や島津氏らと連携し、それまで仕えていた英時に反旗を翻し、最終的にこれを攻め滅ぼしました。この功績により、貞宗は豊後国の守護に任じられることとなります。しかし、同年12月3日、貞宗は京都で急逝し、その生涯を終えました。死後、家督は彼の子である氏泰が継承しました。

貞宗の突然の死については、北条英時の亡霊による祟りであるという噂も流れました。また、宗教面では、臨済宗の高僧である中巌円月に深く帰依していたことが記録されています。

その他

小説家の吉川英治氏が著した『私本太平記』では、足利尊氏が九州から再上洛する場面に大友貞宗が登場しますが、これは史実とは異なります。実際には、この時貞宗は既に死去していました。これは、物語の創作によるものであり、歴史的事実とは異なる点に注意が必要です。

このように、大友貞宗は激動の鎌倉時代末期に生きた武将であり、その生涯は多くの歴史的出来事と深く関わっていました。彼の行動は、当時の政治情勢や人間関係を理解する上で重要な手がかりとなります。

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