大和久彪

大和久彪（おおわく たけし）

大和久彪は、1914年1月23日に千葉県千葉市で生まれた将棋棋士です。石井秀吉七段門下で、その才能を開花させました。1956年8月25日に42歳という若さでこの世を去り、その功績を称えられ、没後に贈八段を追贈されました。

経歴

1933年に将棋界に入門。1936年に四段に昇段し、プロ棋士としてのキャリアをスタートさせました。1944年には七段に昇り、その実力を示しました。1946年には順位戦B級に参加し、着実に実績を積み重ねていきました。しかし、1956年には順位戦C級1組に在籍中に、病のため急逝しました。

人物

大和久彪は、非常に縁起を気にする人物として知られていました。その性格を表すエピソードとして、彼が亡くなる半年前に対局した際、将棋盤の一列に駒が並ぶ「駒柱」が発生したことが挙げられます。その対局で、大和久は松下力八段に敗れました。そして、その直後から体調を崩し、病床に伏してしまいます。不幸にもその「駒柱」ができた列が、死線を暗示する4の列であったことは、彼の死をより一層悲劇的なものにしました。

また、升田幸三実力制第四代名人が若手時代にライバル視していた棋士としても有名です。両者は、互いに切磋琢磨し、将棋界を盛り立てていきました。

弟子には、長谷部久雄がいます。大和久の教えは、彼の弟子を通じて、次世代へと受け継がれていきました。

晩年は、日経新聞に「飛将軍」というペンネームで観戦記を執筆し、その文章力も高く評価されました。棋士としての活動だけでなく、文章を通じて将棋の魅力を伝え、多くのファンを魅了しました。

昇段履歴

1933年: 入門
1936年: 四段
1944年: 七段
1956年8月25日: 逝去
1968年11月3日: 八段（表彰感謝の日表彰、追贈）

著書

奇襲戦法（1952年、野口書店）

脚注

詳細は将棋年鑑などを参照

関連項目

将棋棋士一覧

大和久彪は、その短い生涯の中で、将棋界に大きな足跡を残しました。その実力だけでなく、独特のキャラクターやエピソードの数々は、今もなお多くの将棋ファンに語り継がれています。彼の功績は、将棋史において決して忘れることのできないものです。

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