長谷部久雄

長谷部久雄九段：棋士人生と功績

長谷部久雄九段は、1933年7月17日生まれ、2017年12月27日に84歳で逝去した、日本の将棋棋士です。1955年6月14日に四段としてプロ入りを果たし、長きにわたる棋士人生において、数々の輝かしい成績と功績を残しました。

プロ入りから昇級、タイトル戦挑戦まで

プロ入り後は順調に昇級を重ねます。初参加の順位戦では見事な成績を収め、1期で昇級を果たすなど、その才能の片鱗を見せつけました。その後も順位戦では常に上位を争い、自己最高位であるB級1組にまで上り詰めました。B級1組とB級2組の間を何度も行き来するなど、安定した実力を持ち合わせていたことが分かります。

タイトル戦への挑戦も複数回経験しています。特に1966年の第8期棋聖戦では、加藤一二三九段や中原誠永世棋聖といった強豪を破り決勝に進出する快挙を成し遂げました。惜しくも決勝で敗れはしましたが、その実力は他の棋士たちから一目置かれるものであったと言えるでしょう。また、王位戦リーグ入りを果たすなど、常にタイトル獲得を目指し、第一線で活躍しました。

棋風と人物像

長谷部九段の棋風は、居飛車党を基本としながらも、矢倉、角換わり、相掛かりといった定跡だけでなく、四間飛車や中飛車といった振り飛車も使いこなす柔軟性を持っていました。しかしながら、特に特徴的だったのは終盤の切れ味です。鋭い読みと精密な計算に基づいた攻撃は、多くの相手に脅威を与えました。

棋士としての活動に加え、長谷部九段は日本将棋連盟においても重要な役割を担いました。1983年から常務理事、1989年から1992年には専務理事を務め、将棋界の発展に大きく貢献しました。また、数々のタイトル戦で立会人を務めるなど、その経験と知識を将棋界全体に還元する存在でした。

引退後と功績

1993年に引退した後も、将棋界への貢献は続きます。2006年には旭日双光章を受章し、その功績は高く評価されました。晩年は千葉市内の自宅で過ごしていましたが、2017年12月27日に逝去しました。

長谷部久雄九段は、優れた棋力と指導力、そして将棋界への献身的な姿勢で、多くの人々から尊敬を集めました。その功績は、後世の棋士たちにとって貴重な財産となるでしょう。長谷部九段の残した記録と記憶は、将棋史に永遠に刻まれることでしょう。

主要成績

通算成績：541勝568敗
優勝：第5回高松宮賞争奪選手権戦
その他：十段戦リーグ入り、棋聖戦決勝進出、王位戦リーグ入りなど

受賞

旭日双光章（2006年）
現役勤続25年表彰（1980年）
第22回将棋大賞「東京将棋記者会賞」（1995年）

昇段履歴

1950年：入門
1955年6月14日：四段
1957年4月1日：五段
1960年4月1日：六段
1961年4月1日：七段
1982年11月17日：八段（贈八段）
1993年3月：引退
2002年11月17日：九段（贈九段）

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