大和古墳群

大和古墳群について

大和古墳群（おおやまとこふんぐん）は、奈良県天理市南部の萱生町から中山町にかけて広がる古墳群です。一部は国の史跡に指定されており、「オオヤマト古墳集団」とも呼ばれます。この古墳群は、奈良盆地の東南、初瀬川右岸に沿って、南から纏向古墳群、柳本古墳群とともに南北に縦に並んで存在しています。

大和古墳群の位置づけ

これらの古墳群は、細かく分けると3つに分類できますが、広い意味では「オオヤマト古墳集団」として捉えられます。纏向古墳群にある箸墓古墳は、前方後円墳としては最古級に属しますが、大和古墳群と柳本古墳群は、それより少し後に築造されたと考えられています。
これらの古墳群は、古墳時代前期前半に築造されたと考えられており、大和・柳本古墳群として一括りにされることもあります。

大和古墳群の構成

大和古墳群という名称は、古墳群の西側に大和神社が鎮座していることに由来します。この古墳群には、前方後円墳12基、前方後方墳5基、円墳7基が確認されており、丘陵上に位置する中山支群と扇状地上に位置する萱生支群に分けられます。そのため、「中山古墳群」「萱生古墳群」と呼ばれることもあります。

大和古墳群の古墳は、規模に大きな差がなく、主墳と陪墳の関係は見られません。一方、南に位置する柳本古墳群は主墳と陪墳の関係が強く、纏向古墳群は主墳と陪墳の関係で構成されています。

西殿塚古墳

大和古墳群の中で最大の前方後円墳である西殿塚古墳は、墳丘長が234メートルに達し、柳本古墳群の行燈山古墳や渋谷向山古墳よりも先に築造された可能性があります。

古墳群の変遷

古墳時代前期後半になると、王墓と推定される巨大古墳は奈良盆地の西北部へと移動し、佐紀盾列古墳群が築造されるようになります。

国の史跡指定

2014年10月6日には、古墳群のうち、ノムギ古墳、下池山[[古墳]]、中山大塚古墳の古墳域を含む地域が「大和古墳群」として国の史跡に指定されました。

主な古墳

大和古墳群の中で最大規模を誇る西殿塚古墳は、「大王墓クラス」とみなされています。現在は手白香皇女陵として宮内庁が管理しており、一般の人は立ち入ることができません。古墳の推定年代は3世紀後半から4世紀前半で、初期のヤマト王権の王墓と考えられています。この古墳の近くには、全長175メートルの東殿塚古墳があり、共に萱生古墳支群に属し、4世紀初頭に造営されたと考えられています。

その他、100メートルから140メートル級の前方後円墳が7基、前方後方墳が3基あります。

中山大塚古墳は、1986年に吉備政権の要素が強い特殊器台の破片が発見され、古墳発生期まで遡る可能性が指摘されました。1993年には、後円部に竪穴式石室が造営されていたことが判明しました。

西山塚古墳は、古墳時代前期の古墳が多いこの古墳群の中で、唯一6世紀前半頃に造営された古墳です。手白香皇女の真墓ではないかとの見方もあります。

脚注

大和古墳群は、その歴史的価値から、多くの研究者や歴史愛好家にとって重要な場所となっています。

関連項目

• - 柳本古墳群

外部リンク

• - 天理市古墳ガイド（奈良県天理市）
• - 大和古墳群一覧表

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