大和哲夫

大和哲夫の概要

大和哲夫（やまと てつお）は、1921年1月23日に生まれ、1998年8月20日に亡くなった日本の法学者であり官僚、さらに公務員としても広く知られています。福岡県遠賀郡戸畑町（現・北九州市）に生まれ育ち、彼は長いキャリアを通じて法律と社会に大きな影響を与えました。特に北海学園大学の元学長として、その教育的貢献は多岐にわたります。

学歴と職歴

大和は1937年に京都府立京都第三中学校を卒業し、1940年には松江高等学校を経て、1942年に京都帝国大学法学部を卒業しました。彼は同年、拓務省に入省し、事務をしながらキャリアを築いていきます。その後、大東亜省や外務省を経て、1946年には函館新聞社に勤務しました。さらに、北海道地方労働委員会や社会保障制度審査事務局、中央労働委員会などを歴任し、1963年には中央労働委員会文書課長としての職務を終えました。

1963年11月には北海学園大学に経済学部教授として就任し、1964年には法学部の創設に伴い、同法学部の教授となります。1967年から1974年にかけて法学部長および就職部長を歴任し、1980年には学長に就任。学長としての任期を1984年まで持ち、その後も退職まで同大学の法学部教授として活躍しました。

1996年には北海学園大学からの定年退職を迎え、その際名誉教授として名を残しました。1998年に解離性大動脈瘤のため、77歳で他界しました。彼の死後も、北海学園大学での教育と社会に対する貢献は高く評価されています。

専門分野と業績

大和の研究分野は労働法であり、特に不当労働行為と労働委員会の役割に焦点を当てていました。彼が指導したゼミでは法曹を志す学生たちが多く育成されました。代表的な卒業生には弁護士の越前屋民雄や石田明義、司法書士の臼杵裕美がいます。

退職後も彼は北海学園大学付属図書館の法律関連資料の充実に寄与しました。自身の所有書籍の大部分を「大和文庫」として寄贈し、多くの学生に法律知識を学ぶ機会を提供しました。

著作

大和は多くの著書を出版しており、労働法に関する分担執筆も多数行っています。代表作には、石井照久ほか編『総合判例研究業書・労働法 (8)』（1961年）、『労働法体系4　不当労働行為』（1963年）、『不当労働行為と労働委員会制度の研究』（1987年）などがあります。これらの著作は、日本の法学界において重要な位置を占めています。

公職歴

彼のキャリアの一環として、大和は北海道地方労働委員会の公益委員や北海道人事委員会の委員、公共企業体等労働委員会の調停委員など、数多くの公職にも関与しました。これにより、彼は法律実務と学術の双方で架け橋となり、現役を終えた後もその教えを通じて数多くの学生や専門家たちに影響を与え続けました。彼の業績は、労働法に関心を持つ人々にとって、今なお参考にされることでしょう。

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