大和民労会

大和民労会は、かつて日本に存在した土建系の団体であり、その活動は建設業界における勢力拡大と、後の暴力団組織への影響という二つの側面を持っていました。

結成の背景

大正10年（1921年）1月、河合徳三郎は、当時右翼団体として知られていた大日本国粋会を脱退し、新たな勢力基盤を築くために大和民労会を結成しました。この結成には、当時の政党である民政党からの支援があったとされています。民政党は、大和民労会を通じて、建設業界における影響力を強化しようとしたと考えられます。

主要メンバー

大和民労会の中核を担ったのは、土建業に関わる人々でした。具体的には、関根賢（後の関根組組長）、高橋金次郎（高橋組組長）、城迫正一（後の小千鳥組組長）といった、後にヤクザ組織の幹部となる人物が名を連ねていました。これらのメンバーは、それぞれの地域で建設業を営むとともに、大和民労会の活動を通じて組織を拡大していきました。

活動内容と影響

大和民労会の具体的な活動内容については詳細な記録は残っていませんが、土建業における利権の獲得や、政治的な影響力の行使が主な目的であったと考えられます。また、大和民労会は、その活動を通じて、後のヤクザ組織の形成に大きな影響を与えました。特に、関根組、高橋組、小千鳥組といった組織は、大和民労会のメンバーが中心となって結成されたものであり、その後のヤクザ社会において重要な役割を果たすことになります。

まとめ

大和民労会は、短期間で解散した団体でしたが、建設業界における勢力拡大と、後のヤクザ組織の形成に大きな影響を与えたという点で、日本の裏社会史において特筆すべき存在です。河合徳三郎を会長とし、関根賢、高橋金次郎、城迫正一といった後のヤクザ組織の幹部を輩出したことは、大和民労会の活動が単なる土建業者の集まりにとどまらず、その後の暴力団組織のルーツの一つとなったことを示しています。

参考文献

山平重樹『義侠ヤクザ伝・藤田卯一郎』幻冬舎＜アウトロー文庫＞、2003年、ISBN 978-4-344-40476-2

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