大和田荘七

大和田荘七：北前船主から銀行家へ、敦賀の発展に貢献した実業家

大和田荘七（おおわだ しょうしち、1857年3月6日 - 1947年1月30日）は、幕末から昭和にかけて活躍した日本の実業家です。彼は北前船の船主として財を成し、その資金を元に大和田銀行や大和田貯金銀行を設立しました。また、敦賀港の国際貿易港指定にも尽力するなど、地域経済の発展に大きく貢献しました。本稿では、大和田荘七の生涯と功績について詳しく解説します。

生い立ちと大和田家への入婿

大和田荘七は、安政4年2月11日（1857年3月6日）に越前国敦賀（現在の福井県敦賀市）で、山本亀次郎として生まれました。実家は薬屋を営む山本家で、兄に大和田炭鉱株式会社の取締役を務めた山本九郎左衛門がいます。彼は初代大和田荘七に見込まれ、その長女である万寿子と結婚し、大和田家の婿養子となりました。1887年（明治20年）、30歳の時に二代目大和田荘七を襲名しました。

実業家としての手腕

大和田荘七は、北前船の経営を通じて得た富を元に、1892年（明治25年）に大和田銀行を設立しました。この銀行は地域経済の発展に大きく貢献し、彼の経営手腕を示すものとなりました。また、彼は敦賀港の重要性に着目し、その国際貿易港指定と港湾整備に尽力しました。その結果、1899年（明治32年）に敦賀港は国際貿易港として指定され、地域の発展に大きく寄与しました。

1907年（明治40年）には、敦賀商業会議所の初代会頭に就任し、地域の商業振興にも力を注ぎました。その功績が認められ、1916年（大正5年）には藍綬褒章を受章しています。

大和田銀行の終焉と晩年

しかし、時代は流れ、1945年（昭和20年）には大和田銀行は三和銀行に吸収合併されることとなりました。大和田荘七は、1947年（昭和22年）1月30日に90歳でその生涯を閉じました。

顕彰と記念

大和田荘七の功績を称え、1932年（昭和7年）には彼が土地を寄贈した敦賀町役場（現在の敦賀市民文化センター）の敷地内に銅像が建立されました。太平洋戦争中に金属類回収令で供出されましたが、1952年（昭和27年）には石像として再建されました。さらに、1989年（平成元年）には敦賀港開港90周年を記念して、敦賀市民文化センターに銅像が新設され、石像は敦賀市立博物館（旧大和田銀行本店）に移設されました。これらの顕彰は、彼の地域社会への貢献を今に伝えるものです。

家族

大和田荘七は、山本家から大和田家に養子に入り、多くの子供をもうけました。

実父：三郎兵衛（薬種商）
兄：九郎三衛門（大和田炭鉱株式会社取締役）
養父：荘七（初代）
長男：正吉
次男：信吉（工学士、越前電燈株式会社技師長）
三男：立吉
四男：繁次郎（後に分家）
長女：とみ（法学士、後藤勇の妻）
四女：亀（山田甫の妻）
養弟：金之助

また、子孫には俳優の大和田伸也や大和田獏がいます。

関連事項

大和田ファミリー
大和田貯蓄銀行
* 久二貯金銀行

大和田荘七は、実業家としてだけでなく、地域社会の発展に尽力した人物として、今もなお多くの人々に尊敬されています。彼の生涯は、現代を生きる私たちにとっても、多くの示唆を与えてくれるでしょう。

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