大喜利セーフ22

大喜利セーフ22について

『大喜利セーフ22』とは、名人落語家・立川こしらが2020年3月28日から2022年1月30日までの間、YouTubeで配信した大喜利をテーマにしたオンラインバラエティ番組です。コロナウイルスの影響により、寄席が閉鎖された状況の中で、収入源を失った若手落語家たちを支えるために始まりました。全222回の配信を経て、多くのファンを獲得し、オンラインでの落語の新たな形を模索した画期的な試みとなりました。

概要

コロナ禍で多くの寄席が休演となり、落語家たちの生活のタネが失われたことを背景に、立川こしらが主宰者としてこの番組を始めました。テレビやラジオではなく、インターネット上のプラットフォームを利用し、落語家たちの自宅からのリモート出演という新しい形態になりました。投げ銭制度を導入し、視聴者からの支援を通じて出演者の収入を確保する仕組みを作ったのです。

主な出演者

番組には、当初は立川志らく一門のメンバーが出演していましたが、次第に多彩な顔ぶれが揃い、他の落語家や講談師も参加。立川こしらをはじめ、立川志獅丸、桂竹千代、鈴々舎馬るこなど、多くの若手や中堅の落語家が登壇しました。出演者は各自の自宅でスマートフォンやコンピューターを使ってリモートで出演し、Zoomを通じて顔を見せることで、視聴者との距離感を縮めました。

制作と配信

配信は特別な機材を使うことなく、OBSというソフトウェアを使用してオリジナルなレイアウトを制作しました。この簡易的なスタイルであったからこそ、落語家たちも負担が少なく、気軽に参加することができました。配信時間は主に曜日ごとに定められ、視聴者は気軽に参加できるよう配慮されていました。

投げ銭制度とスポンサー

番組の収益基盤は、視聴者からの投げ銭とスポンサーシップに支えられていました。各出演者は、個人でもスポンサーを募ることができ、さらに、番組本体としてもスポンサーを獲得するための形が整えられました。出演者は自己紹介の際にスポンサーを紹介し、番組の収益が彼らに直接届くように工夫されていました。

連続配信と派生番組

多くの連続した配信が行われる中で、他にもスピンオフとして様々な番組が誕生しました。月曜日から日曜日まで、それぞれ異なる大喜利が行われる体制が整えられ、一体感のあるエンターテインメントの場が提供され続けました。特に、2020年5月から2022年1月までの678日間は連日配信され、視聴者におおいに楽しんでもらいました。

バーチャルキャラクターの登場

配信のスタートから進化を続け、2021年以降にはバーチャルキャラクター「タ亭こしじ」なども登場しました。これらのキャラクターは、演者とのやりとりを通じて新たなエンターテインメントのスタイルを生み出しました。このような試みは、視聴者にとって新鮮で魅力的な体験となりました。

メディアの反響

『大喜利セーフ22』は、数多くのメディアに取り上げられ、その新しい試みに対する評価がなされました。特に、落語協会やさまざまな新聞からの注目を集め、「デジタル配信の可能性」を示す例として位置づけられました。主宰者の立川こしらは、これを機に「若手が輝くチャンス」を創出したと発言しており、デジタルと伝統芸能の融合が進んでいることを強調しました。

番組の終了

2022年1月、ついに番組は全222回をもって幕を閉じることになりましたが、その形態や影響は、今後の落語の在り方に大きな影響を与えるものとなったと言えるでしょう。この取組は、コロナ禍を越えた新しいエンターテインメントのスタイルを創造し、落語界に新たな風をもたらしました。

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