大垣新田藩

大垣新田藩の概要

大垣新田藩（おおがきしんでんはん）は、現在の岐阜県と愛知県にまたがる地域を支配していた藩で、元々は大垣藩の支藩として知られています。別名は畠村藩とも呼ばれ、その藩庁は三河国渥美郡畠村（現・愛知県田原市福江町）に設置されました。しかし、明治2年（1869年）には藩庁が美濃国大野郡野村（現在の岐阜県大野郡大野町上秋）に移転しました。

藩の成り立ち

大垣新田藩の歴史は、戸田氏鉄の次男である戸田氏経が旗本として取り立てられたことに始まります。氏経は1619年（元和5年）に三河国渥美郡の畠村を含む5か村を1,500石で領有することとなりました。これらの土地にはもともと水軍の系譜を持つ間宮氏が統治していましたが、氏経の登場によって所領を失うこととなりました。この経緯についての詳細は不明です。

その後、氏経は同国額田郡で700石が加えられ、明暦元年（1655年）には兄の戸田氏信から美濃国大野郡内の新田4000石を与えられ、最終的には6200石の知行を獲得しました。後に知行地は新田から元の耕作地に変わりました。

藩の発展は続き、戸田氏利が跡を継ぎ、元禄元年（1688年）には戸田氏成が藩主となります。この時、氏成は兄の戸田氏定から美濃国内の新田3000石を与えられ、さらに養父の氏利の領地と合わせて1万石の所領を得ました。こうして大垣新田藩が成立し、藩庁は三河国渥美郡畠村に設置されました。藩領は初め3000石が三河国に、7000石が美濃国に広がりましたが、その後三河国6000石、美濃国4000石に再編成されました。

藩主の歴史

戸田氏成は、元禄14年（1701年）に浅野長矩の事件に連座し、出仕を停止されました。その後、藩主を継いだ戸田氏房は大番頭や奏者番、西丸若年寄を歴任し、その後も戸田氏之や戸田氏養が藩主を続けていきました。藩の歴史を通じて、戸田家は安定した地位を維持しましたが、明治維新の波には抗えず、明治2年に最後の藩主である戸田氏良が版籍奉還しました。その後の5月には、美濃国大野郡野村に藩庁を移し、藩名も野村藩に変更されました。

近代における残留物

現在、当時の名残を求めると、近隣の民家には総門と役所門がそれぞれ移築されています。これらの遺構は、藩の歴史を物語る大切な証拠となっています。

歴代藩主

大垣新田藩は戸田家が率いており、以下のような歴代藩主がいました。全てが譜代の家の者たちでした。

• - 戸田氏成（うじしげ） - 従五位下、淡路守
• - 戸田氏房（うじふさ） - 従五位下、淡路守
• - 戸田氏之（うじゆき） - 従五位下、淡路守
• - 戸田氏養（うじきよ） - 従五位下、淡路守
• - 戸田氏興（うじおき） - 従五位下、左近将監
• - 戸田氏宥（うじのり） - 従五位下、淡路守
• - 戸田氏綏（うじやす） - 従五位下、淡路守
• - 戸田氏良（うじよし） - 従五位下、淡路守

このように、大垣新田藩は歴史的な背景を持ちながら、江戸時代を経て明治時代に至るまで、重要な役割を果たしてきました。

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