戸田氏鉄

戸田氏鉄の生涯と功績

戸田氏鉄（とだ うじかね）は、1576年に三河国二連木（現在の愛知県豊橋市）で生まれた武将で、徳川家の家臣として知られています。彼は近江膳所藩、摂津尼崎藩、美濃大垣藩の藩主を歴任し、その生涯において数々の軍事的及び政治的な功績を残しました。

若き日の戸田氏鉄

氏鉄は、徳川家康の近習として武士の道を歩み始めました。1595年には従五位下采女正に任命され、後に従四位下へ昇進しました。1600年の関ヶ原の戦いでは家康に仕え、戦後は父の戸田一西から家督を引き継ぎ、近江国膳所藩の藩主となります。

大坂の陣と移封

大坂の陣においては、膳所城の守備を命じられ、その後の元和元年には摂津尼崎藩へ5万石で移封されました。その後、寛永12年に美濃国大垣へ移ることになります。この大垣への移封は、氏鉄の政治手腕が認められた結果ともいえるでしょう。

島原の乱への対応

1637年の島原の乱では、後発部隊として出陣し、副将格の任を受けました。実戦経験が乏しい幕府軍の中で、氏鉄は乱を鎮圧するために尽力しました。決戦前の軍議では、包囲戦を提案し、戦況を冷静に見極めた姿勢が評価されました。

幕府における信任

江戸幕府の中で氏鉄は重要な役割を果たしました。1624年の大坂城の修築や島原の乱における戦功が、彼への信任を深めました。また、4代将軍徳川家綱の誕生に際して、臍の緒を切断する役を任され、幕府からの厚い信頼を受けていました。

藩政への貢献

氏鉄は藩政においても優れた手腕を発揮しました。新田開発や治水工事などを手掛け、大垣藩の繁栄に貢献しました。さらに教育にも力を入れ、学問や修養を重視した『八道集』などの著作を通じて、藩士たちの学びにも寄与しました。

晩年と子孫

1651年に隠居を決意し、入道して常閑と名乗りましたが、1655年に80歳で亡くなりました。家督は長男の氏信に引き継がれ、彼の遺した藩政の基盤は長らく続いていきました。岐阜県大垣市では氏鉄の銅像が建立されており、その功績が今も稱えられています。

評価とLegacy

氏鉄の名は、その治水事業や藩政の成功から広まり、継承された家系は常葉神社で祭神として祀られています。また、尼崎城を築いた際の治水事業も評価され、地域に名残を留めています。明治42年には贈従三位にも序され、その功績と影響力は後世にも受け継がれているのです。

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