大垣肇

大垣肇

大垣肇（おおがき はじめ、1910年2月7日 - 1979年5月3日）は、日本の劇作家です。

生涯

東京府（現在の東京都）に、作家・佐藤紅緑と愛人・真田イネの子として生まれました。本名は与四男。異母妹は作家の佐藤愛子です。

法政大学国文科を中退後、劇作家の真山青果に師事し、劇作の道へ進みます。また、労働運動にも従事するなど、社会的な活動にも関わりました。

戦後は、大森で書店を経営しながら創作活動を続けました。彼の作品は、前進座によって多く上演され、大衆演劇の世界で一定の評価を得ました。

作品

主な戯曲作品として以下があります。

幸運の黄金の矢
時はわれに辛かりき
水沢の一夜
親鸞（正、続）

これらの作品は、当時の社会情勢や人々の生活を描いたものが多く、社会派の劇作家としての彼の姿勢が表れています。

1976年には、『大垣肇一幕劇集』（未來社）が刊行され、彼の作品世界を知ることができます。

人物像

異母妹である佐藤愛子の著書「血脈」には、佐藤家の人々が登場しますが、大垣肇は他の兄たちとは異なり、実直な人物として描かれています。破滅的な人物が多かった佐藤家の中で、彼は穏やかで誠実な人物であったようです。

大垣肇は、激動の昭和時代を生きた劇作家として、社会と深く関わりながら、演劇を通して人々にメッセージを送り続けました。彼の作品は、今もなお、人々の心に響き、考えさせられるものがあります。

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