大城敬三

大城敬三：成功した実業家と情熱的な馬主

大城敬三（おおしろ けいぞう）氏は、1923年8月15日生まれ、2020年6月9日没。日本を拠点に活躍した韓国国籍の実業家で、数々の競走馬を所有したことで知られる著名な馬主でした。パチンコホールや飲食店などを経営する大和商事株式会社の代表取締役会長を務め、莫大な資産を築き上げました。

大城氏の生前は、在日韓国人社会においても大きな影響力を持つ人物でした。韓国政府からは国民勲章「木蓮章」を贈られるなど、その功績は高く評価されています。息子の徐正一（旧名：大城正一）氏も、在日韓国商工会議所の副会長を務めるなど、実業界で活躍しています。

競馬への情熱と馬主としての歩み

大城氏は、日本中央競馬会（JRA）および地方競馬全国協会（NAR）に登録された馬主として、長年にわたり競馬界に貢献しました。勝負服は青、白一本輪、白袖という特徴的なデザインで、冠名には自身の会社名から「ダイワ」を用いていました。当初は会社名義で馬主登録を行っていましたが、2004年に個人名義に変更しています。

大城氏の馬主としてのキャリアは、義弟からの誘いがきっかけでした。北海道のセリ市への同行を勧められ、競馬への関心の高さを背景に参加した大井競馬場で、調教師の矢作和人氏に馬の落札を依頼。その時に手に入れたのが、最初の所有馬であるダイワホマレです。ダイワホマレは8勝を挙げる活躍を見せ、大城氏の馬主人生の幕開けを華やかに飾りました。

数々の名馬と輝かしい戦績

大城氏が所有した競走馬たちは、数々の重賞競走、そしてGI級競走で勝利を収め、日本の競馬史に名を刻んでいます。特に、ダイワメジャー、ダイワスカーレットは、その代表格と言えるでしょう。

ダイワメジャーは、2005年のダービー卿チャレンジトロフィーを皮切りに、マイルチャンピオンシップ、毎日王冠、天皇賞（秋）、安田記念など、数々のGI競走で好成績を収めました。ダイワスカーレットは、桜花賞、ローズステークス、秋華賞、エリザベス女王杯など、牝馬クラシック三冠を制覇するなど、卓越した競走能力を示しました。

他にも、ダイワエルシエーロ、ダイワレイダース、ダイワパッション、ダイワワイルドボア、ダイワファルコン、ダイワマッジョーレなど、多くの所有馬が重賞競走で優勝。大城氏の慧眼と、馬への深い愛情が、これらの成功を支えたと言えるでしょう。

2020年6月9日、大城氏は病気のため96歳で生涯を閉じました。しかし、その死後も、所有馬たちはその血統を受け継ぎ、活躍を続けています。中でも、エプソムカップを制したダイワキャグニーは、大城氏没後も活躍を続けましたが、2023年1月18日付で登録抹消され、大城名義のJRA現役馬はいなくなりました。所有馬は長男の正一氏に引き継がれましたが、JRAにおける「ダイワ」冠名の馬は、ひとまずその歴史の幕を閉じました。

まとめ

大城敬三氏は、実業家としての成功と、競馬への情熱という二つの側面で、日本の社会に大きな足跡を残しました。その功績は、息子の正一氏をはじめとする後継者によって受け継がれ、これからも語り継がれていくことでしょう。彼の所有馬たちの活躍は、日本の競馬史に燦然と輝く、不滅の功績として記憶され続けるに違いありません。 彼の生き様は、多くの者に勇気と希望を与え続けるでしょう。 大城敬三氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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