大場川 (静岡県)

大場川の概要

大場川（だいばがわ）は、静岡県東部に位置する主に三島市内を流れる一級河川で、全長は17.65kmです。この川は狩野川水系に属し、地域にとって重要な水資源となっています。古くから、旧伊豆国の一宮である三島大社周辺では「かん川」とも呼ばれ、神聖視されることもありました。さらに治水上の観点からも重要な役割を果たしています。

名称と流路

大場川は、上流部となる三島市と裾野市の境界付近では「境川」とも呼ばれています。また、地域によっては「谷田川」とも称されることがあります。川の源は裾野市内にあり、その後三島市を北から南へ流れます。そして、田方郡函南町と三島市および沼津市の境界で狩野川に合流します。このような流れ方は、富士山の三島溶岩流による地形の影響であり、この高台の反対側を流れるのが同じく狩野川水系の「黄瀬川」です。

歴史的な出来事

大場川はその美しい風景だけでなく、過去にいくつかの大きな水害が発生したことでも知られています。特に1990年9月に発生した秋雨前線による豪雨は、地域に甚大な被害をもたらしました。この水害では全壊した建物が1棟、半壊が1棟、床上浸水が102棟に及ぶなど、多くの住宅が影響を受けました。特に大学生が住むアパートが流される瞬間が全国に報道されたことで、この事件は大きな注目を集めました。

また、1998年8月末に発生した集中豪雨でも、三島市大宮町の住宅前の道路や護岸が崩壊し、同地域内の警察署近くでも同様の被害が発生しました。これらの出来事は大場川の流れの変化や護岸の重要性を再認識させるものとなりました。

自然環境と生物多様性

大場川の流域は多様な生態系を維持しており、多くの植物や動物が共存しています。流域の環境には、豊かな水源や生態系があり、季節ごとに様々な活動が見られます。特に春には花が咲き乱れ、夏には生物たちの活動が活発になります。地元住民もこの川を愛し、自然環境を守るための取り組みを続けています。

まとめ

大場川は静岡県における重要な自然資源であり、地域の歴史や文化に深く根ざした存在です。美しい風景とともに過去の水害の記憶が共存するこの川は、今後も地域の人々にとって欠かせない存在であり続けるでしょう。

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