大塚卓夫

大塚卓夫：ラグビーとサントリーを繋いだ人生

大塚卓夫氏（1931年2月24日-2021年4月15日）は、兵庫県出身のラグビー選手であり、サントリーフーズ社長として知られる人物です。華々しい現役時代から、サントリーラグビー部の創設、発展に大きく貢献した氏の生涯を紐解いていきましょう。

ラグビーとの出会い、そして日本代表へ

旧制・北野中学校（現・大阪府立北野高等学校）を経て関西学院大学に進学した大塚氏は、同大学のラグビー部で才能を開花させます。1952年には、オックスフォード大学ラグビーチーム来日試合に日本代表として出場（センター）、国際舞台でその実力を証明しました。

サントリー入社とラグビー部創設への道

大学卒業後、壽屋（後のサントリー）に入社した大塚氏。入社2年目には北海道国体大阪府代表としてプレーしましたが、その後はラグビーから離れることになります。しかし、運命の転機が訪れます。1970年代、サントリー常務の平木英一氏（東京大学ラグビー部出身）がラグビー部創設を提案したのです。

当初、大塚氏（当時取締役東京支店長）は、工場勤務とラグビーの両立の難しさから創設に反対していました。しかし、サントリー社長・佐治敬三氏の「やってみなはれ」という強い後押しにより、ラグビー部創設が決定。大塚氏は、その責任者として大役を担うことになります。

サントリーラグビー部の発展

創部にあたっては、ラグビー界の重鎮である小林忠郎氏、白井善三郎氏、岡仁詩氏らの助言を得て、監督には元日本代表選手の山本巌氏を招聘しました。また、社内には既にラグビー同好会が存在し、浜本剛志氏（慶應出身）、松尾尚城氏（早稲田出身）といった実力者も在籍していました。これらの強みを活かし、慶應出身の稲垣純一氏を初代主将に据え、1980年、サントリーラグビー部（後のサントリーサンゴリアス）が誕生しました。大塚氏は部長兼担当役員兼総監督としてチームを牽引しました。

創部当初は部員不足に悩まされ、アメリカンフットボール部やバレーボール部の選手を助っ人に借りることもありましたが、その後、本城和彦氏、吉野俊郎氏らスタープレーヤーの入部により、サントリーは社会人ラグビー界の強豪チームへと成長を遂げました。

サントリーフーズでの貢献

1993年にサントリーフーズ社長に就任した大塚氏ですが、ラグビーへの情熱は消えることはありませんでした。サントリーフーズでも同好会を部に昇格させる形でラグビー部の設立に尽力し、現在も活動しているサントリーフーズサンデルフィスの礎を築きました。

まとめ

大塚卓夫氏は、選手として、そして経営者として、日本のラグビー界に多大な貢献をしました。その功績は、サントリーサンゴリアス、そしてサントリーフーズサンデルフィスの発展という形で、今もなお輝き続けています。日本ラグビー史に名を刻んだ大人物の一人として、その生涯は後世に語り継がれるべきでしょう。

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