大多府島

大多府島について

大多府島（おおたぶじま）は、岡山県備前市の日生諸島に属し、私たちが多くの自然と歴史を楽しむことができる美しい島です。この島は日生港から南へ約6キロメートルの位置にあり、日生諸島の最南部にあります。古い文献では「大漂」とも表記されていた時代がありますが、現在は大多府島の名前で親しまれています。

島の魅力

島の北側には豊かな自然が広がっており、天然の良港が形成されています。特にこの港は、元禄時代に岡山藩の土木技術者、津田永忠の指揮のもと築かれた「元禄防波堤」が今も昔の姿を留めています。この防波堤は、1998年に国の登録有形文化財に指定され、歴史的価値が認められています。また、2006年には未来に残したい漁業漁村の文化財選にも選出され、島の文化と歴史を学ぶ貴重な場となっています。さらに、南側には奇岩や洞窟が点在しており、自然の神秘を堪能することができます。

歴史的背景

大多府島は、播磨国室津（現在の兵庫県揖保郡）と備前国牛窓（現在の岡山県瀬戸内市牛窓町）を結ぶ水上交通の要所に位置していました。1698年に岡山藩によって、参勤交代の風待ち港として目的別に港が設置され、在番の水主が海上交通の業務を担いました。その後、1701年には本土から住民が移り住むことになり、港町としての基盤が整いました。

山の上に設置された灯籠は航海の目印として大きな役割を果たしていました。また、1708年には寄港者のための郡医者が設置され、1717年には無税の小船が整備されたりと、島の発展が進みました。地元文献には、田畑や在番侍の住居、灯楼堂、帆船に関する記述があり、当時の島の人口は44人であったとされています。1885年には大多府村に昇格し、その後日生町の一部、今では備前市となり、現在の人口は142人（2006年時点）とされます。

島内の名所

島内には興味深い名所が点在しています。\*

• - 灯籠堂: 島の頂上に建てられた灯籠堂は、石組みの基壇と木造の四角塔で成り立ち、夜間は灯火によって船の航行を守っていました。1986年に復元された今でも訪れる人々を楽しませています。
• - 勘三郎洞窟跡: 伝説によれば、ここには藩札を偽造していた男が隠れていたとされています。
• - 夫婦岩: 2つの岩が寄り添う美しい景観が特徴で、伊勢の夫婦岩に似ていることから名付けられました。
• - 元禄波止: 北西の風を防ぐために築かれた波止で、300年以上の歳月を経てもその姿を保っています。
• - 古井戸: 島唯一の水源として機能しており、訪れる船に重要な飲料水を供給していました。
• - 水神様: 近くには水神を祀る場所があり、毎年4月に祭りが行われています。

アクセス

大多府島へのアクセスは、日生港からの連絡船で約35分の旅です。この魅力的な島を訪れ、豊かな自然や深い歴史に触れてみるのはいかがでしょうか。訪れることで、過去の人々の生活や文化に思いを馳せることができる、特別な体験が待っています。

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