大奥〜誕生［有功・家光篇］

『大奥〜誕生［有功・家光篇］』について

『大奥〜誕生［有功・家光篇］』は、2012年10月から12月にかけての金曜ドラマとしてTBS系列で放送された日本の連続テレビ時代劇です。この作品は、よしながふみ作の漫画『大奥』を基にした実写映像化シリーズの2作目として位置づけられており、前作の映画『大奥』の続編でありながら、物語の前日譚にもあたります。本作の放送終了後には、続編映画『大奥〜永遠〜［右衛門佐・綱吉篇］』が公開され、物語はさらに広がりを見せました。

1. ストーリーの概要

物語は、架空の伝染病「赤面疱瘡」によって男性の数が著しく減少した江戸時代の日本を舞台に、運命に翻弄される大奥の人々を描いています。パラレルワールドのようなこの設定により、歴史上の人物たちの性別が逆転し、視聴者を魅了します。本作では特に、女将軍・徳川家光とその側室である万里小路有功の間に芽生えた恋愛が主な焦点となり、物語が描かれています。

2. 制作とキャスト

本作の監督は、映画版『大奥』を手掛けた金子文紀が務めており、総じて同プロジェクト内での制作陣は共通しています。主演は堺雅人が万里小路有功を、多部未華子が徳川家光を演じました。特に堺雅人は、影武者としての役割も担うこととなり、一人二役を演じることに挑みました。このようなキャスティングは、原作漫画における人物設定に基づいています。

撮影は2012年8月から始まり、滋賀県や京都府で行われました。また、このドラマは、若い世代や女性視聴者をターゲットに、新たな時代劇を制作する試みとして期待されていました。実際、本作は大ヒットを記録し、2012年のTwitterトレンドでのドラマランキングでも5位に順位を上げています。

3. 放送と配信

本作は日本国内だけでなく、台湾でも放送され、現地の視聴者にも支持されました。TBSオンデマンドを通じてインターネット配信も行われ、視聴者は放送後日曜日に最新話を楽しむことができました。これにより、日本のドラマが外国でも直ちに視聴される新しい形を示すこととなりました。

4. 受賞歴と評価

ドラマは多くの賞にノミネートされ、堺雅人は第50回ギャラクシー賞で個人賞を受賞。また、多部未華子は第75回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の助演女優賞を獲得しました。二人の演技は高く評価され、作品そのものも多くの視聴者に支持されました。

5. 主な登場人物

• - 万里小路有功（堺雅人）: 大奥内で家光と愛し合う側室で、彼女を献身的に支える。
• - 徳川家光（多部未華子）: 男性としての立場を強いられながらも、成長する女性将軍。
• - 稲葉正勝: 家光の影武者として、密かに存在する男性。
• - 春日局: 大奥の総取締役で、家光の立場を守るために様々な策略を巡らせる。

このように、物語は男女逆転した江戸時代の様相を描きつつ、登場人物たちの葛藤や情愛をテーマに展開していきます。視聴者に多くの感動を与えたこの作品は、現代の視点からも非常に興味深いアプローチとなっています。

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