大学入学資格検定

大学入学資格検定について

大学入学資格検定（略称：大検）は、日本で2004年度以前に実施されていた国家試験であり、高等学校卒業者と同等の学力を持つかどうかを判定し、合格者には大学入学資格が与えられていました。この制度は、主に高等学校を卒業していない人々に大学入試の機会を提供することを目的としていました。2004年度末に廃止され、翌2005年度からは高等学校卒業程度認定試験（高認）に移行しました。

概要

大学入学資格検定は、大学入学資格を持たない受検者（高等学校未卒業者）に対し、高等学校卒業者と同等の学力を確認するための検定です。合格者は中学校卒業程度認定試験（中検）にも合格したと見なされるため、大学入学資格を得ることができます。また、合格時に18歳未満の場合、18歳になる年度から大学入学資格が認められます。大学入学資格検定に合格した者は、高等学校卒業者と同様の取扱いを受けるため、大学受験や就職活動において有利な立場になります。

出題形式は、主に多肢選択式で、マークシート方式を用いていました。1995年ころまでは高い合格難易度がありましたが、2000年代には合格科目数が減少し、合格最低点も下がったため、合格率が上昇しました。また、朝鮮学校の卒業者が高校卒業資格を有しないことへの配慮や、大検免除についての議論が行われたこともありました。

受検資格

大学入学資格検定を受検するには、以下の条件を満たす必要がありました：

• - 中学校を卒業した者
• - 中等[[教育学校]]の前期課程を修了した者
• - 盲学校・聾学校・養護学校の中学部を卒業した者
• - 就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定試験に合格した者
• - 受検年度内に16歳以上となる者

ただし、高等学校の課程に在籍している者や既に大学入学資格検定に合格している者は受検資格がありません。また、高等学校の定時制や通信制を卒業した者は受検できないなどの条件もありました。これにより様々な背景を持つ応募者が参加する機会が提供されていました。

試験科目

大学入学資格検定では、最終的に合格が必要となる科目は11科目（または12科目）で、各科目には必須と選択があります。具体的には、国語、地理歴史、公民、数学、理科、家庭、保健体育、外国語、工業、商業、職業訓練に関する科目などがありました。受検者は必須科目に加えて、複数の選択科目から自分の得意分野を選んで受験することができました。

制度の沿革

大学入学資格検定は、1951年に開始されましたが、その前身にはさまざまな資格試験が存在していました。例としては、旧制専門学校進学のための「専門学校入学者検定試験」や「実業学校卒業程度検定試験」などがあります。

制度はその後も何度か改訂され、受検制度や合格に必要な科目数などが見直されてきました。1980年代にはマークシート方式の導入や、必須科目の見直しが行われました。最終的には2005年度から新たに高等学校卒業程度認定試験が設けられ、この試験は従来の大学入学資格検定を代替する形となりました。

有名人の受検

大学入学資格検定を通じて学んだり、合格した著名人は数多く存在しています。中には文筆家や政治家、実業家として成功を収めた人々もいます。例えば、作家の井上光晴やジャーナリストの大宅壮一などがいます。

大学入学資格検定は、日本の教育制度において重要な役割を果たし、多くの人々に新たな学びの機会を提供してきました。

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