大学前駅 (滋賀県)

大学前駅：びわこ学院大学の玄関口

滋賀県東近江市布施町に位置する大学前駅は、近江鉄道本線（水口・蒲生野線）の駅です。駅番号はOR27。八日市市の強い要望により、近隣の滋賀文化短期大学（現・びわこ学院大学）の開学に合わせて1990年3月29日に開業しました。建設費用1795万円は全額、八日市市が負担した、地域住民にとって重要な交通拠点です。

駅舎と構造

大学前駅は、簡素な造りの地上駅です。単式ホーム1面1線のみのコンパクトな構造で、駅舎と言えるような建物はなく、屋根とベンチが設置されている程度です。無人駅であるため、窓口業務などは行われていません。ホームは線路の東側に位置しています。

アクセスと周辺環境

駅の東側にはびわこ学院大学が隣接しており、学生の利用が非常に多いのが特徴です。大学から東へ進むと、広々とした布引運動公園があります。一方、駅西側には歴史のある布施神社が鎮座し、その西側には滋賀県道13号彦根八日市甲西線が走っています。駅周辺はのどかな田園風景が広がりますが、東西に少し離れた場所には住宅地も形成されています。その他、駅の東側には見送り稲荷神社があり、そこから南下すると合成樹脂工場があります。

利用状況

大学前駅の利用状況は、びわこ学院大学の学生数や周辺地域の居住状況に大きく影響されます。具体的な1日平均乗車人員は、東近江市統計書などを参照する必要がありますが、通学利用者を中心に、一定の需要があるものと考えられます。過去には、東近江市総合運動公園布引陸上競技場で行われたMIOびわこ滋賀（現レイラック滋賀FC）の試合開催日に合わせ、鉄道利用促進を目的とした特別招待券配布が行われたこともあります。

歴史

大学前駅の建設は、地域住民の強い要望から実現しました。特に、びわこ学院大学（旧・滋賀文化短期大学）の開学に伴い、最寄り駅として新駅設置の請願が八日市市から出され、その結果、大学前駅が開業することとなりました。この駅の新設は、地域社会の発展に貢献する重要な役割を担っています。

隣の駅

大学前駅に隣接する駅は以下の通りです。

近江鉄道本線（水口・蒲生野線）
長谷野駅 (OR26)
京セラ前駅 (OR28)

参考文献

川島令三『【図説】日本の鉄道東海道ライン 全線・全駅・全配線 第6巻 米原駅-大阪エリア』講談社、2009年8月20日。ISBN 978-4-06-270016-0
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 29 近江鉄道/信楽高原鐵道/伊勢鉄道/養老鉄道』朝日新聞出版、2011年10月9日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日。ISBN 978-4-7770-1336-4

大学前駅は、びわこ学院大学へのアクセスを支える重要な役割を担うとともに、周辺地域の生活の足として貢献しています。静かな田園風景の中に佇む小さな駅ですが、地域住民にとってかけがえのない存在です。

もう一度検索