大学国際戦略本部強化事業

大学国際戦略本部強化事業(SIH)とは？

日本の大学を取り巻く環境は、グローバル化の進展に伴い、ますます国際競争が激化しています。「知」を巡る世界的な競争において優位性を保ち、日本の大学が国際的な研究拠点として発展していくためには、優秀な研究者を国内外から惹きつけ、国際的に高い水準の研究環境を整備することが不可欠です。

このような背景から、文部科学省は平成17年度より、大学国際戦略本部強化事業(SIH)を開始しました。この事業は、日本の大学における国際競争力の強化を目的とし、世界を舞台に活躍できる研究環境の整備を支援するものです。

事業の目的

SIHの主要な目的は、以下の2点に集約されます。

1. 優秀な研究者の確保: 国内外から優秀な研究者を招聘し、日本の大学に集積させることで、研究水準の向上を目指します。そのためには、魅力的な研究環境、国際的な交流機会、そして研究活動に必要な資源の提供が不可欠です。
2. 国際的な研究拠点の形成: 世界をリードする研究拠点となるため、国際的な共同研究の促進、研究成果の国際発信、そして国際的な人材育成に力を入れています。これにより、日本の大学が国際社会においてより大きな役割を果たすことが期待されます。

採択大学

SIHは、全国の多くの大学を対象に競争的資金として交付され、高い評価を得た大学が採択されます。採択された大学は、それぞれの強みを生かし、国際競争力の強化に貢献しています。採択大学には、北海道大学、東北大学、東京大学、東京外国語大学、東京工業大学、一橋大学、新潟大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、鳥取大学、広島大学、九州大学、長崎大学、会津大学、慶應義塾大学、東海大学（3大学共同提案）、早稲田大学、自然科学研究機構などが含まれます。

大学国際化戦略委員会

SIH事業の円滑な推進、そして事業全体の質的向上を図るため、大学国際化戦略委員会が設置されました。この委員会は、日本学術振興会に設置され、多様な専門分野の有識者から構成されています。委員たちは、事業の進捗状況を監視し、必要に応じて助言を行うことで、SIHの目標達成に貢献しています。

委員長および委員

委員会の委員長と委員には、それぞれの分野で高い識見を持つ第一線の研究者や専門家が名を連ねています。委員長には木村孟氏が就任し、その他馬越徹氏、桑原輝隆氏、榊裕之氏、佐々木毅氏、森純一氏、山本眞一氏、渡辺靖氏らが委員として参加していました。これらの委員は、それぞれの専門知識や経験に基づき、SIH事業の運営や方向性について貴重な助言を提供しています。

事業の意義と将来展望

SIHは、日本の大学の国際競争力を強化し、国際的な研究拠点形成を支援する重要な事業です。世界的な競争が激化する中、日本の大学が国際社会で活躍していくためには、国際化戦略の推進が不可欠です。SIHは、その戦略の中核を担う事業として、今後も日本の高等教育の発展に大きく貢献していくものと期待されます。 今後の日本の大学における国際化の進展において、SIHの役割はますます重要になっていくでしょう。

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