佐々木毅

佐々木毅

佐々木毅（ささき たけし、1942年7月15日生まれ）は、日本の政治学者であり、主に西洋政治思想の研究を行ってきた人物です。彼は東京大学の名誉教授であり、日本学士院の会員、さらに文化功労者、文化勲章の受章者という栄誉を持っています。2022年11月14日からは日本学士院の長として第28代を務めています。

経歴

秋田県仙北郡千屋村（現在の美郷町）で生まれた佐々木は、東京大学法学部を卒業後、同大学の助手、助教授、教授を経て、法学政治学研究科の研究科長、最終的に第27代の東京大学総長に就任しました。また、学習院大学でも教鞭を取り、さらには一般[[社団法人]]学士会の理事長としても活動しました。

研究活動

佐々木の研究は、彼の指導教授である福田歓一の影響を受けてスタートし、特にマキャベリの政治思想を包括的に学びました。その後、ジャン・ボダンやプラトンに関する研究にも取り組みました。1980年代以降は、現代アメリカの政治思想に関する分析を行い、また現代日本の政治に対しては「横からの入力」といったアメリカの影響を論じています。彼の思想は論壇で強い影響を持っています。

大学改革と総長在任

佐々木は2001年から2005年まで東京大学の総長を務め、その在任期間には国立大学法人への移行に伴う大学改革を推進しました。彼の施策は、明治以降の大学教育において大きな変革をもたらしましたが、2004年の総長選挙においては次期総長に選ばれたいとの望みが叶わず、同年副学長であった小宮山宏に敗れました。

受賞と顕彰

彼の功績は多岐にわたり、2015年には故郷の美郷町に「佐々木毅記念室」が設けられるなど、その影響力が評価されています。栄誉としては、1988年の吉野作造賞、1992年の東畑記念賞、1999年の和辻哲郎文化賞、2019年の文化勲章などを受賞しています。

人柄と家族

佐々木の座右の銘には、福澤諭吉の「利を争うは即ち理を争うことなり」とサミュエル・スマイルズの「天は自ら助くる者を助く」があることが知られています。また、家族についても長八という名の父が製材業や政治界に携わったことがあり、彼の弟も秋田県庁でのキャリアを持っています。

著作活動

彼は多くの著書を持ち、政治学に関するさまざまなテーマを取り上げています。特にマキアヴェッリ、ボダン、そして現代アメリカの保守主義に関する著作は高く評価されています。著作は単著や共著にわたり、教科書的な作品から専門書まで、広範な知識を提供しています。

佐々木毅は、政治学における優れた業績により、多くの後進に影響を与え続けており、今日でも日本の政治学界において重要な存在です。

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