大学院大学

大学院大学とは

大学院大学とは、大学院を主体とした教育機関であり、一般には学部を置かずに大学院だけを設置する形態を指します。これは日本の学校教育法に基づくもので、学部を持たない独立した大学院とされ、他にも大学院重点化を行っている大学も含まれます。そのため、大学院には研究者や専門職を志す学生が集まり、教育や研究が行われています。

日本における大学院大学の歴史

戦後、日本の大学制度は新制大学へと移行しましたが、大学院大学の設置は当初進まない時期がありました。旧制高等学校や旧制大学の統合により、新制大学は形成されたものの、大学院大学の構想は長らく停滞しました。しかし1980年代に入ると大学院の研究環境が厳しい状況にあることが認識され、再発足の必要性が唱えられるようになります。

特に、優秀な人材の国外流出や研究費の分配の見直しといった問題が話題となり、1982年には日本初の大学院大学として私立国際[[大学]]が設立されました。以後、北陸先端科学技術[[大学院大学]]や奈良先端科学技術大学院大学といった新たな大学院大学が開設され、日本の大学院教育は一気に活性化しました。

専門職大学院の設置

2003年には専門職大学院の設置が認められ、大学院の役割は教育や研究にとどまらず、高度な専門職業人を育成することにまで広がりました。法科大学院や公共政策大学院など、多様な専門分野の大学院が次々と誕生し、アメリカの制度を参考にした新たな教育の仕組みが整いつつあります。

このように、近年の大学院大学は学部を持つ伝統的な大学とは異なり、大学院教育に特化した形態へとシフトしています。

現在の課題

しかしながら、大学院重点化が進む中での課題も浮上しています。博士号取得者は増加していますが、大学教員や研究者のポストは増加していないため、博士課程の修了者の就職率は低迷しました。この状況は「余剰博士」の増加として社会問題化しており、文部科学省は2005年より、卒業生の就職問題に対して具体的な対策を講じることを決定しました。

日本の大学院大学の事例

日本には数多くの大学院大学が存在しており、国立や私立、特に専門職大学院が増えています。国立[[大学]]では、総合研究大学院大学や政策研究大学院大学などがあり、公立[[大学]]では情報科学芸術大学院大学や東京都立産業技術大学院大学が設置されています。また、私立では国際[[大学]]やグロービス経営大学院大学、LEC東京リーガルマインド大学院大学などが存在し、多様な専門分野が育成されています。

海外の大学院大学

フランス、アメリカ、韓国においても大学院大学は存在し、各国の教育体制やカリキュラムが反映されています。特にフランスでは官僚養成機関の国立行政学院があり、アメリカではカリフォルニア大学サンフランシスコ校やロックフェラー大学が著名です。

結論

このように、大学院大学は国際的にも注目される教育機関であり、今後の専門職業人の養成や高度な研究の推進において、ますます重要な役割を担っていくことでしょう。これからも日本および世界における大学院教育は進化し続けると考えられます。

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