大宮法科大学院大学

大宮法科大学院大学

大宮法科大学院大学（おおみやほうかだいがくいんだいがく）は、日本の埼玉県さいたま市大宮区にあった私立大学で、法科大学院のみから構成されていました。2004年の設立から2015年の閉校までの約11年間の間、法律教育に特化した教育を提供していました。

概要

この大学は、学校法人佐藤栄学園と第二東京弁護士会の提携により設立され、文部科学省の認可を受けた後、2004年4月に開校しました。日本において大学に付属しない形で運営される唯一の法科大学院として、特に社会人向けに夜間コースを提供していたことが特徴です。これは医師などの専門職が働きながら法律を学ぶためのプログラムでした。

しかし、設立以来赤字経営が続き、毎年約3億円の損失を抱える状況が続きました。さらに、司法試験の合格率は極めて低く、長年にわたり入学者数も定員の半分にも満たない期間が続きました。また、2007年には新司法試験の委員が試験の漏洩に関与した問題も発生し、大学の評判に影を落としました。

統合と廃校

2011年8月には、桐蔭横浜大学と統合することが発表され、法科大学院としての機能を停止することが決まりました。統合作業は2012年4月から始まり、2015年9月30日に大学としての機能を完全に終了しました。しかし、閉校後も佐藤栄学園により、「学修サポートセンター」が設けられ、一部教員による課外授業を継続する予定でしたが、2019年9月末にはそのセンターも閉鎖されました。

キャンパスと施設

大宮法科大学院は、開校時から埼玉県さいたま市大宮区桜木町にあるOLSビルにキャンパスを持ち、様々な施設を備えていました。1階にはリーガルクリニックや学生食堂、2階には講堂やラウンジ、法廷教室や図書室があった他、上層階には教室や研究室が配されていました。2018年4月以降は、新たに設置された場所へ移転しましたが、その後も教育環境としては十分な規模を誇っていました。

教員陣

大宮法科大学院大学には、多くの著名な教員が在籍していました。2代学長の柏木俊彦や副学長の北沢義博、現代弁護士論を教えていた久保利英明など、法律実務に精通した教授陣が多く在籍し、学生たちに質の高い教育を提供していました。これらの教員は、法曹会や関連機関での豊富な経験を持ち、専門的な知識を学生と共有していました。

主な修了生

卒業生の中には、フジテレビの元アナウンサーであり、現在は弁護士として活躍する菊間千乃や、予備校の経営者である米谷達也など、著名な人物が多くいます。彼らは法科大学院での学びを基に、それぞれの分野で多くの成功を収めています。

このように、短い期間でその役割を終えた大宮法科大学院大学でしたが、法学教育の一環として、一定の存在意義を持っていたことは否めません。

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