大山義年

大山義年の経歴と業績

大山義年（おおやま よしとし、1903年8月2日 - 1977年7月16日）は、昭和時代日本の著名な化学工学者であり、東京工業大学の名誉教授でもあります。茨城県水戸市出身の彼は、麻布中学校および水戸高等学校を卒業後、東京帝国大学工学部造兵学科へ進学し、化学機械を学ぶことで専門的な知識を深めました。彼の学問的な旅は、恩師である大河内正敏の勧めにより、理化学研究所において新たなスタートを切りました。

1931年に台北帝国大学に赴任し、粉体工学の研究に従事。1940年には東京工業大学の化学工学科に助教授として招かれ、1942年には教授に昇進します。その後のキャリアでは、1958年に東京大学応用微生物研究所の教授を兼務し、1960年には東京工業大学の原子炉研究施設長に就任しました。そして1962年からの2年間、同大学の第6代学長としての役職を担います。1966年に定年退官し、名誉教授となりました。

大山の業績は多岐にわたり、1973年には勲二等旭日重光章を受章。1974年には国立公害研究所初代所長に就任し、同年に発生した原子力船むつの放射能漏洩問題の調査委員会の委員長を務めました。また、彼はペニシリンの国産化に向けたパイロットプラントの設計や、ウラン濃縮技術の実用化、低圧式酸素製造装置の開発など、化学工学の発展に寄与する数々のプロジェクトに関与しました。

さらに、大山は化学工学協会（のちの公益社団法人化学工学会）の第12代会長（1959年 - 1961年）、日本原子力学会の第10代会長（1977年5月16日 - 7月）、低温工学協会会長、日本化学会会長など、数々の専門団体でリーダーシップを発揮しました。

著作

彼の学術的な貢献は著作にも如実に表れています。代表的な共著書としては、1936年に発表された『化学工学講座 第11』や、1954年の『化学工学設計計算分離及び混合』、そして1963年に出版された『化学工学 第2』および『第3』などがあります。

家族

大山義年の父は、大山鷹之介という海軍少将でした。このような家庭環境も、彼の学問への道を支えた一因と言えるでしょう。大山義年は1977年に74歳で亡くなるまで、化学工学の分野で深い足跡を残しました。

彼の業績は今なお多くの研究者や学生に影響を与えており、日本の科学技術の発展における重要な役割を担ったことが評価されています。

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