大山道 (鳥取県)

大山道（だいせんみち）

概要

大山道は、現代の鳥取県に位置する大山を中心に形成された古い道の総称です。この道は主に「坊領道」、「尾高道」、「溝口道」、「横手道」、「川床道」の五つの参詣道から成り立っています。また、岡山県岡山市から接続する横手道もこの大山道の一部として数えられます。大山道は、大山往来や大山街道とも称され、時には「大仙街道」と表記されることもあります。

歴史的背景

大山は古くから信仰の対象であり、多くの人々が山を訪れ、その山腹に位置する大山寺を中心に参拝を行いました。このため、「坊領道」、「尾高道」、「溝口道」、「横手道」、「川床道」の五つの道がそれぞれ発展しました。特に山陽地方の地区に住む人々は、五穀豊穣を祈り、「奥参り」と称して出雲大社とともに大山を訪れるようになりました。このことが、備前国、備中国、備後国、美作国からの道が発展する一因となっています。

また、1726年には大山寺の境内で牛馬の市場「大山博労座」が開かれ、牛や馬を使った参詣が行われるようになりました。これにより、大山道は牛馬の運搬路としても機能するようになり、商業的にも重要な路とされました。特に山陰と山陽を結ぶ大山道は、地域の産物を備前国や上方方面へ輸送する重要な役割を担いました。また、この道は比叡山との連絡路ともなっていました。

各参詣道の詳細

坊領道

坊領道は、鳥取県西伯郡大山町坊領を起点に、大山へ向かう道路で、鳥取側からアクセスする際の主要な道です。

尾高道

尾高道は、鳥取県米子市尾高から出発し、一の谷を通って大山へと進むルートで、現在の鳥取県道24号米子大山線にほぼ一致しています。

溝口道

溝口道は、鳥取県西伯郡伯耆町溝口を起点に、金屋谷を経由して大山に至る道です。

横手道

横手道は、岡山県真庭市延助から始まり、美作国と伯耆国の国境を越えて大山に至る経路です。この道は備前国や備中国方面から接続し、山陽道に向かう主要道とも位置づけられています。

横手道は岡山市北区の生石橋から始まり、足守や大井、吉川を通過し、最終的には大山に接続します。途中では出雲街道と交差する地点もあります。

川床道

川床道は、関金温泉からスタートし、鳥取県道45号を経て大山に向かいます。この道には、中国自然歩道「大山参詣『大山みち』」も含まれており、大山滝などの自然景観が点在しています。

参考情報

大山道に関する詳細な歴史や道筋については、岡山県教育委員会の調査報告書や、鳥取県の観光情報などを参考にすることができます。大山寺や古道の魅力を探ることで、地域の豊かな歴史と文化を深く理解することができるでしょう。

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