大峠道路

大峠道路（おおとうげどうろ）

大峠道路は、国道121号の福島県喜多方市から山形県米沢市に至る25.2kmの区間を指します。この道路は、かつて「大峠レインボーライン」とも呼ばれていました。

概要

起点：福島県喜多方市関柴町西勝
終点：山形県米沢市大字入田沢
全長：25.2km

道路規格

起点 - 県境 (4.1km)：第3種第2級
県境 - 終点 (21.1km)：第3種第3級
設計速度：60km/h
道路幅員：
一般部：10.5m（取り付け部除く）
トンネル部：9.0m
橋梁部：10m
最小半径：300m
最急勾配：5%
車線幅員：3.25m
車線数：2車線

特徴

大峠を越える旧道は1887年に開削され、福島、山形、秋田を結ぶ物流の大動脈となりました。1934年には改良工事により自動車の通行が可能になり、会津若松市と米沢市を結ぶ路線バスも運行されました（現在は廃止）。

1960年代に入ると、旧道は砂利道が多く、道幅も狭く、冬季は通行止めとなるため、改良を求める声が高まりました。1974年に現行ルートの改良事業が開始され、1984年には全長3,940mの大峠トンネルが貫通しました。1992年8月9日には、大峠トンネルを含む県境区間14.47kmと喜多方側の一部4.1kmが開通しました。その後、熱塩加納村（現喜多方市）の一部区間(1.7km)が開通し、2009年12月19日には喜多方側2.5kmが開通し、未成区間は残り2.6kmとなりました。

バイパスは冬季の路線維持のため、高度な除雪体制と道路監視体制が整えられています。福島県側の7つのトンネル群は「虹のトンネル」と呼ばれ、親しまれています。バイパスの開通により、喜多方市から国道49号を経由して南陽市方面へ向かうルートが利用しやすくなり、高速道路料金を避ける大型トラックの利用が増加しました。

2010年9月11日に最後の未成区間が開通し、事業開始から37年を経て全線開通しました。総事業費は約560億円でした。全線開通後、旧道は国道指定を外れ、2011年10月25日に福島県側、2012年1月6日に山形県側がそれぞれ指定解除されました。

沿革

1974年度：事業着手
1984年6月：大峠トンネル貫通
1992年8月9日：一部供用開始
1996年4月：道の駅喜多の郷オープン
1998年3月：道の駅田沢オープン
2010年9月11日：全線開通
2011年1月28日：旧道の国道121号指定（山形県側）の一部廃止
2011年10月25日：国道121号指定（福島県側）が本ルートに一本化
2012年1月6日：国道121号指定（山形県側）が本ルートに一本化
2022年7月4日：大雨により一部区間が全面通行止め
2022年7月7日：片側交互通行で通行止め解除
2022年8月3日：豪雨により再び一部区間が全面通行止め
2022年8月4日：道路流失により通行止め継続
2022年8月26日：国による権限代行で災害復旧
2022年10月24日：応急復旧完了、片側交互通行で通行解放

主要構造物・休憩施設

山形・米沢方面から順に、トンネルや橋梁、休憩施設が配置されています。喜多方市側には、「虹のトンネル」と呼ばれる連続トンネル区間があります。

交通量

2016年度の平日24時間交通量は、大峠管理事務所付近で2829台でした。

脚注

注釈
出典

関連項目

東北地方の道路一覧
桧原峠
点線国道

外部リンク

福島県喜多方建設事務所
大峠・日中総合管理事務所
大峠道路管理所
山形県置賜総合支庁

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