大島小松川公園

大島小松川公園について

大島小松川公園は、東京都江戸川区小松川と江東区大島にまたがる広大な都立公園です。かつて住宅や工場が密集していた地域が再開発され、防災拠点としての役割も担う公園として整備されました。広々とした芝生広場や各種スポーツ施設が充実しており、地域住民の憩いの場として、また都民のジョギングコースとしても活用されています。

公園の概要

この公園は、江東再開発基本構想に基づき、亀戸・大島・小松川地区の市街地再開発事業の中心として計画されました。公園の地下には、都営地下鉄新宿線の車両基地である大島車両検修場があります。また、公園周辺地域が海抜ゼロメートル地帯であるため、避難場所としての役割を果たすべく、土地のかさ上げが行われています。

過去の汚染問題と対策

かつてこの地は工業地帯であり、1970年代までに化学メーカーが大量のクロム鉱滓を埋めていました。この鉱滓には有害な六価クロムが含まれており、公園造成にあたっては、無毒化処理後に埋め戻されました。江東区による鉱滓の処理は2000年に完了したとされていますが、2014年の論文では、大雨や降雪時に六価クロムが染み出す可能性が指摘されています。

歴史

1975年（昭和50年）：再開発事業の都市計画が決定。
1997年（平成9年）8月1日：公園が開園。

主な施設

江東区側

スポーツ広場（テニスコート、野球場、サッカー場）
わんさか広場

江戸川区側

自由の広場（バーベキュー可能、要予約）
季節の広場
風の広場（旧小松川閘門が残る）

また、公園は荒川河川敷と接続しており、ランニングを楽しむ人々にも利用されています。さらに、災害時の防災拠点として、物資の備蓄倉庫や防災設備も備えています。災害時には、約20万人の被災者を一時的に受け入れることが想定されています。

公園内には旧中川が流れ、江東区と江戸川区の境界を成しています。さくら大橋ともみじ大橋が架けられており、両区間を結んでいます。

クロム汚染に関する問題

2011年2月には、六価クロム水溶液が舗装の継ぎ目から滲出しているのが発見され、周辺の土壌が入れ替えられました。しかし、2014年に発表された論文では、無害化対策後も環境基準を超える六価クロムが検出されていることが報告されており、継続的な監視が必要とされています。

アクセス

都営地下鉄新宿線「東大島駅」から徒歩約3分。
江東区側：大島口出口（新宿方面側）
江戸川区側：小松川口出口（本八幡方面側）
JR総武線「亀戸駅」（江東区側）または「平井駅」（江戸川区側）から都営バスを利用。

その他

開園時間: 常時開園
駐車場: 有料駐車場あり
料金: 入園無料、スポーツ広場利用は有料

出典

公益財団法人 東京都公園協会
アメニス東部地区グループ
東京大学大学院の論文（無害化対策後も都立公園から6価クロムが流出するメカニズムを解明）

関連項目

東白鬚公園: 同じく防災拠点として整備された公園

この公園は、都民にとってかけがえのない憩いの場であると同時に、災害時には重要な役割を果たす防災拠点としての機能を備えていると言えるでしょう。

もう一度検索