大川一司

大川 一司 (おおかわ かずし)

生涯

大川一司は、1908年11月16日、静岡県に生まれました。1933年に東京帝国大学農学部を卒業した後、宇都宮高等農林学校や東京商科大学で教授として教鞭をとりました。その後、1949年には経済安定本部の調査課長に就任し、1950年からは一橋大学の教授として教育活動を続けました。

1952年には、学位論文『食糧経済の理論と計測』を提出し、農学の博士号を取得しました。さらに、1958年には経済企画庁経済研究所の初代所長に選任され、1969年からは一橋大学経済研究所の所長としても活躍しました。1972年に一橋大学を定年退職し名誉教授となりましたが、その後も財団法人国際開発センターの理事など多くの役職を歴任しました。

受賞歴と栄典

大川一司は、1980年に叙勲二等授旭日重光章を受け、1987年には文化功労者として表彰されました。彼の死後には叙正四位の栄誉も受けています。

研究業績

彼は特に「長期経済統計」（LTES）に関する研究が著名で、経済学の分野で大きな影響を与えました。多くの弟子を持ち、彼らの中には大塚勝夫（元早稲田大学商学部教授）、伊東壮（元山梨大学学長）、石渡茂（国際基督教大学名誉教授）などが含まれます。

主な著作

大川一司は多くの著作を残しています。代表的なものには以下が含まれます：

• - 『食糧経済の理論と計測』 (1945)
• - 『生活水準の測定』 (1953)
• - 『日本経済分析 成長と構造』 (1962)
• - 『経済発展と日本の経験』 (1976)
• - 『日本と発展途上国』 (1986)

共編著や翻訳書も多数あり、例えば『日本経済の成長率 1878-1942年に関する実証的研究』や、コーリン・クラークの『経済進歩の諸条件』の翻訳などが挙げられます。

影響と評価

大川一司の研究は日本経済学の発展に寄与し、多くの後進の研究者に影響を与えました。彼の業績は、経済学の枠を超えて社会や政策の形成にも大きな影響を与えてきました。その功績と貢献は、経済分析の新たな視点を提供し、持続可能な発展の議論に重要な役割を果たしています。

大川一司は、経済学の分野における重要なシンボルであり続け、彼の思想と理論は今なお、多くの研究者にリスペクトされています。

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