大川原化工機

大川原化工機株式会社の概要

大川原化工機株式会社（おおかわらかこうきかぶしきがいしゃ）は、神奈川県横浜市都筑区に本社を置く、日本を代表する機械製造企業の1つです。特に、噴霧乾燥機の分野では日本国内で70％を超える市場シェアを有し、その技術は多岐にわたります。この企業はまた、おからパウダーの開発でも知られており、食品業界に新たな可能性をもたらしました。

設立と歴史

大川原化工機は、1980年3月に静岡県榛原郡吉田町に本社を置く乾燥機器メーカー「株式会社大川原製作所」の子会社として東京都大田区で設立されました。設立当初は、静岡名産の茶葉の乾燥を手がけていた大川原製作所が、持っていた乾燥技術の応用を模索し、事業拡大の一環として新たに設立されたものです。1980年には小知和化工機株式会社を吸収合併し、噴霧乾燥機および水処理装置に参入しました。1983年には現在の本社がある横浜市都筑区に移転しています。

1984年には、ベンチャーキャピタルの東京中小企業投資育成株式会社から資本参加を受け、株式会社大川原製作所の非子会社となりました。1999年には横浜市産学共同研究センターに入居し、神奈川工科大学などと協力して粉粒状製品の化を目指した基礎研究が始まりました。この取り組みの一環として、通常は廃棄物となる「おから」の再利用にも挑戦し、酸化しやすく雑菌が多いおからを粉末化する技術の開発に取り組みました。

おからパウダーの開発

おからの超微細パウダー化は、スプレードライ技術を用いた過熱水蒸気乾燥装置の開発により実現され、2004年12月には専用工場が建設されて製品化が進められました。2005年9月には横浜市内の小学校の給食に「Oh からだ！」（通称：おからパウダー）が採用され、地域の栄養改善にも貢献しました。

冤罪事件と訴訟

しかし、2020年3月には、代表取締役や常務取締役、相談役の役員3人が外国為替及び外国貿易法違反の容疑で逮捕される事件が発生しました。彼らは一貫して無罪を主張しましたが、その後の保釈も認められず、相談役は入院中に胃がんと診断され、2021年に亡くなることとなりました。その後、代表取締役と常務取締役は約11ヶ月の間に拘留されていましたが、2021年2月に釈放されました。彼らと相談役の遺族は、国と東京都に約5億6500万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。

2023年には東京地裁が警視庁の捜査が不十分であったとし、逮捕や起訴が違法であると認めた上で、都と国に対して約1億6千万円の賠償を命じる判決が出されました。この事件は、ただの冤罪にとどまらず、社会全体にとっても重要な教訓を提供しています。

現在の事業所

大川原化工機の主要な事業所には、本社のある横浜市都筑区の他、大阪営業所（大阪府大阪市北区）や粉体技術研究所（静岡県富士宮市山宮）があります。これらの拠点から、企業は高品質な製品の開発と提供を行っています。

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