大川隆子

大川隆子（おおかわ たかこ）は、1945年3月6日生まれの日本の声楽家（ソプラノ）であり、音楽教育者としてもその名を知られています。大阪府出身で、東京藝術大学を卒業後、畑中良輔氏に師事しました。さらに文化庁派遣芸術家在外研究員として、ウィーンとミラノに留学し、研鑽を積みました。

オペラ歌手としての輝かしい足跡

モーツァルトの4大オペラとして知られる『フィガロの結婚』の伯爵夫人役、『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・エルヴィーナ役、『コジ・ファン・トゥッテ』のフィオルデリージ役、『魔笛』のパミーナ役を見事に演じ、オペラ歌手としての確固たる地位を築きました。ワーグナーのオペラでは、『タンホイザー』のエリーザベト役、『ワルキューレ』のジークリンデ役でその実力を示し、聴衆を魅了しました。また、ヴェルディの『椿姫』のヴィオレッタ役、プッチーニの『ラ・ボエーム』のミミ役、『蝶々夫人』の蝶々さん役、ヨハン・シュトラウス2世の『こうもり』のロザリンデ役など、幅広い役柄を演じ分け、二期会オペラのプリマドンナとして輝かしい活躍を遂げました。

團伊玖磨の『ちゃんちき』や三木稔の『春琴抄』のヨーロッパツアーにも参加し、国際的な舞台でもその才能を発揮しました。新国立劇場では、『魔笛』や水野修孝の『天守物語』に出演するなど、常に第一線で活躍しています。

コンサート歌手、教育者としての顔

オペラだけでなく、コンサート歌手としても、国内の主要オーケストラと共演し、数多くの宗教曲を歌い上げています。1984年と2002年には、リヒャルト・シュトラウスのリートでリサイタルを開催するなど、その公演回数は記録されているだけで83回に及びます。二期会会員、青の会会員でもあります。

教育者としては、元東京音楽大学音楽学部教授として、後進の育成にも力を注ぎました。門下生からは、西川直美、池田浩子、工藤容子、土浜純代、原尾祥子、原千恵子、鈴木美智子、奈良原繭里、森朋子、西澤真奈美、岡部絵実、山崎朝子、前原加奈、吉澤敦子、林可子、宇野春美、近藤絹代といった、多くの優れた音楽家が巣立っています。

受賞歴とディスコグラフィー

1974年度には、第2回ジロー・オペラ賞を受賞しました。

主なディスコグラフィーとして、ビクターエンタテインメントから1997年に発売された『讃美歌集第二編 第4集 クリスマス名曲選1～さやかに星はきらめき』、キングレコードから1998年に発売された『ヘンゼルとグレーテル (日本語版)』があります。

外部リンク

より詳しい情報については、以下のResearchmapのページをご覧ください。
Researchmap 大川隆子

もう一度検索