大師

大師（だいし、たいし）

「大師」という言葉は、仏教を中心に複数の意味を持つ言葉です。

仏教における「大師」

仏教においては、偉大な師という意味で、仏や菩薩などの尊称として用いられます。また、徳の高い僧侶への敬称としても使われます。特に、中国や日本では、朝廷から高徳の僧に贈られる称号である「大師号」が有名です。

寺院の通称としての「大師」

「大師」は、特定の寺院の通称としても使われます。有名な例としては、東京都足立区の西新井大師（總持寺）、神奈川県川崎市の川崎大師（平間寺）などが挙げられます。これらの寺院は、地域の人々から親しみを込めて「大師」と呼ばれています。その他にも、江の島大師、逗子大師などがあります。

地名としての「大師」

「大師」は、地名としても使われています。山梨県南アルプス市には「大師」という地名があり、神奈川県川崎市では、川崎大師（平間寺）周辺を指す呼称として「大師」が用いられ、川崎市大師支所管轄区域を「大師地区」と称しています。また、首都高速神奈川1号横羽線には「大師出入口」があります。

その他の「大師」

「大師」は、神智学やニューエイジ思想に登場する超自然的な人物である「マスター」の訳語としても使われます。さらに、将棋の駒の種類の一つでもあります。

太師（たいし）

「太師」は、古代中国の官職名の一つであり、三師（太傅、太保）の一つとして、天子の師とされる最高位の官職です。通常は名誉職でしたが、政治的実権を持つ官職と兼任する場合は、簒奪の前段階となることもありました。

日本における「太師」

日本においては、758年に官職名を唐風化する一環として、太政大臣の名称が「太師」に変更されました。この際、「大師」とも表記されることもありました。

補足

「大師」と「太師」は、どちらも「たいし」または「だいし」と読みますが、意味は全く異なります。文脈に応じて、どちらの言葉が使われているかを注意する必要があります。

関連項目

* 太子

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