大庄村 (富山県)

大庄村

大庄村（おおしょうむら）は、日本の近代地方自治制度の下で、富山県上新川郡に存在した歴史的な村です。明治期に成立し、昭和期に他の町村と合併して姿を消しました。

沿革

この村が誕生したのは、1889年（明治22年）4月1日のことです。これは、全国的に近代的な地方自治体としての村や町を設置するために施行された「町村制」という法律に基づくものでした。当時、上新川郡内に散在していた以下の13の小規模な村々が合併し、新たな一つの行政単位として「大庄村」が発足しました。

• - 田畠村
• - 善名村
• - 下番村
• - 下馬瀬口村
• - 上馬瀬口村
• - 東荒屋村
• - 下大浦村
• - 中大浦村
• - 上大浦村
• - 西文殊寺村
• - 花崎村
• - 小原屋村
• - 桑原村

村として運営される中で、内部の区画である大字（おおあざ）にも変更が生じました。特に1917年（大正6年）頃には、大字「上馬瀬口」と大字「下馬瀬口」が統合され、新たに「馬瀬口」という大字名が生まれました。同じ時期には、大字「西文殊寺」が「大栗（おおくり）」に、大字「東荒屋」が「中番（なかばん）」に、それぞれ名称を変更しています。これらの変更は、村内の行政区画の整理や実態に合わせた見直しの一環と考えられます。

大庄村の歴史は、1955年（昭和30年）1月1日をもって一つの区切りを迎えました。これは、昭和期に行われた大規模な市町村合併、いわゆる「昭和の大合併」の流れの中で実施されたものです。この日、大庄村は、同じ上新川郡に属していた上滝町（かみたきまち）、大山村（おおやまむら）、福沢村（ふくざわむら）と合併しました。この合併により、新たな自治体として上新川郡「大山町」が誕生し、大庄村はその一部となったことで、村としての行政区画は廃止されました。

交通

かつての大庄村の区域には、村の住民や物資の移動を支える交通機関として、富山地方鉄道上滝線が通っており、「大庄駅」が設けられていました。これは、村と外部を結ぶ重要な交通結節点としての役割を担っていました。

大庄村が存在した期間は、日本の地方行政制度が大きく変革を遂げた時期と重なります。その成立から消滅に至るまでの経緯は、富山県上新川郡における地域の再編と歴史の一頁を物語っています。

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