大庭神社

大庭神社と熊野神社の概要

神奈川県藤沢市には、特に歴史的に重要な二つの神社があります。それが大庭神社と熊野神社です。これらは近接しており、様々な信仰や伝承が色濃く残されています。この文章では、双方の神社の特徴や歴史について詳しく説明します。

大庭神社について

大庭神社は、延長5年（927年）の『延喜式神名帳』に名を記載された相模国の延喜式内社の一つです。この神社は藤沢市稲荷に位置し、引地川沿いの丘陵に立つ美しいロケーションが魅力です。江戸時代には「天神宮」や「大庭大明神」などの名前で親しまれていました。

祭神

• - 神皇産靈神（主祭神）
• - 菅原道眞
• - 大庭三郎景親

由緒

大庭神社の歴史は、平安時代に遡ります。しかし、近世以前の記録はほとんど残っておらず、同社の由緒については伝承が主な情報源となっています。境内には享保6年（1721年）に鋳造された梵鐘があり、当初は「天満天神宮」とされていたものが後に「大庭大明神」と改名されたという伝説があります。また、明治以前には「天神社」という名称でも知られていました。安永6年（1777年）と天明3年（1783年）には、菅原道眞と大庭三郎景親が勧請され、より多くの信仰を集めるようになりました。

熊野神社について

熊野神社は、藤沢市大庭にあり、江戸時代には「御霊社」や「権現社」と呼ばれていました。境内には「大庭神社舊趾」という石碑や案内板も設置されており、往事の神社の名残があります。

祭神

• - 熊野久須比命

由緒

この神社もまた、近世以前の詳細な記録は見つかっていませんが、江戸時代の文化・文政期（1804年 - 1830年）ころに大庭神社の旧跡とされるようになりました。大庭神社は本来こちらが延喜式内社だったと考えられており、何らかの理由で稲荷の大庭神社がその地位を引き継いだとされています。天保4年（1833年）には、石造の鳥居が寄進され、現在でも多くの参拝者が訪れる神社として存在しています。

交通情報

大庭神社と熊野神社へのアクセスは以下のようになります。

• - 大庭神社: 小田急線の藤沢駅北口から湘南台駅西口行きのバスに乗り、「天神社前」で下車。善行駅からは徒歩で約25分。
• - 熊野神社: 同じく藤沢駅北口から湘南台駅西口行きのバスで「大六天」下車。

文化との関わり

大庭神社は、ドラマや小説などのロケ地としても使用されるなど、地域文化とも深く結びついています。例えば、2009年にはNHKのドラマ「ふたつのスピカ」の撮影が行われました。

管理と御朱印

現在、両社の管理は皇大神宮により行われており、御朱印などもこちらで受け取ることができます。また、明治の神仏分離令以前は両社とも成就院に管理されていた歴史もあります。

まとめ

大庭神社と熊野神社は、それぞれ独自の歴史と伝承を持っており、訪れる人々に深い信仰と文化を感じさせる存在です。その美しい風景とともに、両神社の歴史に触れてみる価値は十分にあります。

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