大手公園 (大分市)

大手公園は、大分県大分市府内町3丁目に位置する都市公園（街区公園）です。北側は国道197号線（昭和通り）、東側は遊歩公園通りに面しており、それぞれを挟んで北には府内城址、東には大分県庁があります。この場所はかつて大分県議会議事堂があった場所で、戦災復興土地区画整理事業を経て、1952年（昭和27年）3月31日に開園しました。

公園の面積は3,500平方メートルで、大分県庁に近いことから、様々な集会によく利用されています。公園の北東角には、聖フランシスコ・ザビエル像が設置されており、公園のシンボルとなっています。これは、ザビエルが1551年に府内を訪れてキリスト教の布教を行ったことに由来します。彫刻家佐藤忠良が1969年に制作したこの像は、日本への航路を示した世界地図を背景に、十字架を持った左手を胸に、右手を斜め上に上げています。

また、公園内には樹高8メートル、幹周り5.22メートル（2006年度調査数値）、樹齢300年（指定当時）のソテツがあり、1974年（昭和49年）2月1日に大分市指定名木9号に指定されています。このソテツは公園の歴史を物語る貴重な存在です。

1993年（平成5年）に開始された大分市の公園リフレッシュ事業では、ふないアクアパーク、ジャングル公園、若草公園に続き、大手公園を隣接する遊歩公園と一体化して整備する計画がありました。しかし、その後再整備は行われておらず、2012年（平成24年）8月9日に開催された第9回大分都心南北軸整備に関する意見交換会の資料によると、大手公園の再整備は10年以内に着手、または事業化される予定となっています。

大分駅の再開発に伴い、駅前に大友義鎮（宗麟）の時代に南蛮文化を受容したことを示す像を集める計画があり、その一環として大手公園にあるザビエル像を府内中央口（北口）駅前広場に移設する計画がありました。しかし、2015年（平成27年）3月21日にオープンした府内中央口（北口）駅前広場には、以前からあった大友宗麟像に加え、新たに制作されたザビエル像が設置され、結果として大手公園のザビエル像の移設は行われませんでした。

このように大手公園は、歴史的な背景を持つザビエル像や、貴重なソテツを擁する、大分市の重要な都市公園の一つです。再整備計画を含め、今後の動向が注目されます。

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