大日寺 (倉吉市)

大日寺の概要

大日寺（だいにちじ）は、鳥取県倉吉市に所在する、天台宗に属する寺院です。山号は胎金山（現在は桜山）で、本尊には阿弥陀如来が祀られています。この寺院は、中国の四十九薬師の第42番札所としても知られています。

歴史的背景

大日寺は、平安時代の承和8年（841年）に、第3代天台座主である慈覚大師円仁により開かれたといわれています。また、永延2年（988年）には、恵信僧都源信によって再興されたとも伝えられています。当初は、高野山を模して建てられた三つの院（上院、中院、安養院）から成る大規模な寺院で、多くの僧兵を抱える大伽藍でした。

寺院は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて繁栄し、数多くの文化財が残されていますが、戦国時代には火災によって荒廃しました。その後、1577年には南條伯耆守元続の手によって復興され、江戸時代初期には小さな寺院となりました。現存する本堂は、江戸中期から後期にかけて建設されたものです。

出土品と遺物

経瓦

大日寺から出土した経瓦は、発掘調査により旧本坊とされる円地坊周辺の経塚から400枚以上が発見されています。これらは、伯耆の僧成縁によって造営されたと考えられており、平安時代・1071年の紀年銘が付されたもので、日本で最古とされています。現在、東京国立博物館や奈良国立博物館に保管されています。

五輪塔

一ノ瀬の大日寺五輪塔群に由来する五輪塔は、1265年の銘が刻まれた特異な形状を持つもので、「大日寺式」と称されます。円地坊、壱ノ瀬、山ヶ市の三カ所では、鎌倉時代から室町時代にかけて造られた150基以上の五輪塔が確認されています。

梵鐘

島根県出雲市の鰐淵寺にある銅鐘には、「伯耆州桜山大日寺上院之鐘寿永2年（1183年）の銘が彫られています。伝説によると、武蔵坊弁慶が一夜のうちに運んできたとのことから、元々は大日寺にあったとされています。

文化財の指定

大日寺には、国指定文化財として木造阿弥陀如来坐像と県指定文化財の木造薬師如来立像があります。また、大イチョウ樹は県指定の天然記念物として保護されています。

所在地

大日寺は、鳥取県倉吉市桜354に位置しています。訪れる際は、近隣の観光施設も楽しむことができます。さらに、倉吉観光マイス協会のサイトには、詳しい情報が掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。

もう一度検索