大日本猟友会

一般社団法人大日本猟友会：日本の狩猟文化を支える組織

一般社団法人大日本猟友会は、日本の狩猟文化の維持・発展に貢献する重要な役割を担う団体です。野生鳥獣の保護、狩猟事故の防止、狩猟者のための共済事業など、幅広い活動を通じて、日本の狩猟界を支えています。

会員の組織と活動

大日本猟友会は、全国の猟友会を束ねる全国組織です。会員は、地域単位の地元猟友会、都道府県猟友会、そして大日本猟友会の三層構造で組織されています。個々の狩猟者は、まず地元猟友会に所属し、間接的に都道府県猟友会、大日本猟友会に属することになります。

各猟友会では、狩猟技術の向上、狩猟倫理の啓発、野生鳥獣の保護活動、狩猟事故防止のための啓蒙活動などが行われています。また、近年深刻化する狩猟者の高齢化、減少問題への対策として、若手狩猟者の育成にも力を入れています。

歴史と目的

大日本猟友会は、1929年（昭和4年）に「大日本聯合獵友會」として設立されました。当初は軍需用の毛皮供給という側面もありましたが、密猟の横行を防ぎ、狩猟倫理の向上を図ることも重要な目的でした。戦後の混乱期を経て、現在では野生鳥獣の保護、狩猟の適正化、狩猟事故防止などを主な活動目的としています。

第二次世界大戦後も、有害鳥獣駆除や食肉資源の確保という観点から、狩猟は継続的に認められることとなり、大日本猟友会は、その活動の重要性を増してきました。

主な事業

大日本猟友会の活動は、大きく分けて以下の3つの事業に集約されます。

1. 野生鳥獣の保護増殖事業: キジやヤマドリなどの鳥類の放鳥、鳥獣実験場での飼育・繁殖研究などを通じて、野生鳥獣の保護増殖に貢献しています。絶滅危惧種や渡来数の減少している鳥類については、自主規制による保護活動も行われています。

2. 狩猟事故・違反防止対策事業: 狩猟事故や違反を減らすための啓発活動、射撃練習会、安全講習会の実施、安全な狩猟のための装備の普及などに取り組んでいます。目立つ色の猟装の着用を推奨するなど、安全対策に力を入れています。

3. 狩猟共済事業: 狩猟事故発生時の会員への経済的支援を目的とした共済制度を運営しています。狩猟活動に伴う事故や、狩猟者自身のケガに対する補償など、会員の生活安定を支える重要な事業です。法律で定められた対人補償3000万円以上の共済加入や、同額の預貯金証明が義務づけられています。

会費

大日本猟友会の会費は、大日本猟友会会費、都道府県猟友会会費、支部会費の三種類があり、会員はこれらを合計して支払う必要があります。会費額は会員の種類や地域によって異なり、狩猟事故共済制度の保障費用を含んでいます。具体的な金額は、年によって変更される可能性があるため、最新の情報を公式ホームページ等で確認する必要があります。

参考文献

* 梶 光一・伊吾田宏正・鈴木正嗣（編著）『野生動物管理のための狩猟学』朝倉書店、2013年1月20日。

関連事項

狩猟、狩猟免許、野生動物管理、銃砲刀剣類所持等取締法、火薬類取締法、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律、生態系、害獣、大日本猟友政治連盟

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