大日本生産党

大日本生産党の概要

大日本生産党（だいにほんせいさんとう）は、1931年に設立された「国粋ファシスト」の政治団体です。党の創設は、黒龍会の大阪支部長であった吉田益三の提唱によるもので、彼は玄洋社系の内田良平とともに大阪中央公会堂において結成式を行いました。その後、同年11月20日には東京の赤坂にて、黒龍会の主要メンバーや日本国民党、津久井龍雄の急進愛国党などが参加し、正式に結党されました。この結党式には約1500人が集まり、多くの支持を集めました。

発展と動向

設立後、大日本生産党は本部を東京市麹町区永田町に構え、1932年1月には愛国急進党や大阪労働組合、横浜自治革正党などが合流し、党勢を拡大しました。当時、他の国家主義団体がリーダーシップに偏重する中で、大日本生産党は一部の労働組合も傘下に入れ、党員数は1万6千人を誇っていました。

しかし、党の活動には多くの波乱がありました。1931年には栃木県での小作料引き下げ交渉に関与した際に、襲撃事件が発生し、多くの casualtiesが出ました。また、1933年には神兵隊事件が起こり、青年部の仲間が多数検挙される事態となりました。これらの出来事は、党の弱体化を招く要因となっていきました。

再編成と戦後の活動

1940年には大政翼賛会に対して批判的なスタンスを取り続け、東条政権とも距離を置く姿勢を示しましたが、1942年には政治団体としての性格を失い、大日本一新会に改編されました。戦後の1946年には占領軍によって解散命令が出されますが、占領終了後、鴨田徳一らによって再建されました。この新生大日本生産党は、紀元節復活運動や三井三池争議への介入、北方領土返還運動などに取り組み、国政選挙に立候補するなど活動を続けました。

機関誌とスローガン

大日本生産党の機関誌には「改造戦線」と「興民新聞」があり、「打倒政党政治」というスローガンを掲げていました。また、1932年に発生した犬養毅内閣暗殺事件に際しては、「声明書」で当時の政党の役割を強く批判しました。

政策と事件

党の政策には、亡国的な資本主義経済の改革や国家統制による生産者立国の推進、金融の寄生虫としての政党の排斥などが含まれていました。また、阿久津事件では1931年、栃木県で小作争議に対して党員が暴行を行い、乱闘が発生しました。その結果として、17名の党員がけがをする事態となり、党内外での問題が浮き彫りとなりました。

これらの出来事や動向は、大日本生産党が当時の日本においてどのような役割を果たしていたかを示し、国家主義的な思想がどのように広まり、また反発を受けたのかを浮かび上がらせています。

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