大昭和製紙硬式野球部

大昭和製紙硬式野球部の歴史

大昭和製紙硬式野球部は、1947年に静岡県吉原市で設立された社会人野球チームです。当部は、会社の専務であった斉藤了英が監督を務めながら、12名の部員でスタートしました。

創部からの栄光

設立からわずか数年後の1953年、チームは都市対抗野球において初の優勝を果たしました。この時期、荒川宗一や石井藤吉郎、徳丸幸助の強力選手が揃い、チームは「東海の暴れん坊」とも呼ばれ名を馳せました。このチームは、1951年から1962年にかけて都市対抗の山静地区予選で11連覇を達成し、地域の強豪としての地位を固めました。

1966年11月には、市町村合併により本拠地を静岡県富士市に移転しましたが、その後も地元の支援を受けて堅実に成長を続けました。1970年と1980年には再度、都市対抗野球で優勝を果たし、チームの名声は高まりました。

活動の中断と再生

しかし、1981年には企業全体の業績が悪化し、チームは休部に追い込まれました。この時期、高校野球での活躍を期待されていた新入生も入社を果たせない事態となりました。これに対して富士市民からは復活を求める声が寄せられ、82,000人の署名が集まりました。その結果、1984年に活動を再開しました。

不況の影響と廃部

再開後も努力が続きましたが、1990年代に入ると製紙業界全体が不況に見舞われ、チームは1993年に再度休部を決定します。特にこの年は、企業の負債が4,400億円に及び、その状況下での野球部運営は困難を極めました。加えて、ゼネコン汚職事件に関与していた名誉会長が逮捕されたことも、チームに暗い影を落としました。

1996年、再び地元からの復活を望む声がありましたが、最終的に大昭和製紙硬式野球部は正式に廃部となりました。この屈折した歴史の中で、地元の強い支持があったことは忘れられません。

チームの legado

大昭和製紙は2003年に日本製紙グループと合併し、2012年にグループ再編が行われました。そのため、発足時からのOBやコーチが後の日本製紙石巻野球部に在籍していました。このように、チームは多くの選手たちをプロへと送り出し、その戦績も立派なものでした。

主要成績

• - 都市対抗野球: 出場36回、優勝3回 (1953年, 1970年, 1980年)
• - 日本選手権: 出場2回
• - 各地方大会: 多数の優勝歴あり、特に新潟大会では6回優勝を果たすなどの輝かしい成績を残しました。

主な出身プロ野球選手

大昭和製紙硬式野球部からは数多くのプロ選手が誕生しました。例えば、岡本三男や久保木清、石川進、荒川宗一といった選手たちがいます。彼らはそれぞれのプロチームで活躍しました。

このように、大昭和製紙硬式野球部の歴史には栄光と苦難が詰まっており、その足跡は社会人野球の発展に寄与してきたといえます。

もう一度検索