荒川宗一

荒川 宗一の生涯

荒川 宗一（あらかわ そういち、1925年9月1日 - 2010年8月24日）は、静岡県で生まれた元プロ野球選手で、主に外野手として活躍しました。彼の野球人生は、戦争の影響で厳しい環境下にありながらも、多くの成果を挙げたものです。

若き日の荒川

荒川は掛川中学校でエースピッチャーとして名を馳せましたが、全国大会が戦争の影響で開催されなかったため、甲子園出場の夢は叶いませんでした。高校卒業後、静岡第一師範学校及び陸軍予備士官学校を経て1946年に早稲田大学に入学します。最初は投手として活躍し、チームの4番打者としても抜群の成績を残していました。しかし、後に末吉俊信選手が頭角を現したため、荒川は外野手に転向しました。

彼は、東京六大学野球リーグで3回の優勝を果たし、早稲田大学野球部の黄金時代を支える主力選手として活躍しました。在学中の成績は、86試合出場、320打数94安打、打率.294、1本塁打、55打点という素晴らしいものでした。同時に在籍していた蔭山和夫選手などと共に学生野球での活躍が輝かしい時期であったと言えます。

プロ入りとその後

荒川は卒業後、プロ野球界からも注目されましたが、まずは大昭和製紙に入社しました。彼は都市対抗野球大会に5回出場し、特に1953年の大会ではチームメイトの石井藤吉郎選手とともに打撃の主力として活躍し、決勝で全鐘紡を下して初優勝を果たしました。1955年には、ミルウォーキーで開催された第1回世界アマチュア野球大会に日本代表として選出されました。

1956年には大昭和製紙から北川桂太郎選手と共に日本プロ野球の高橋ユニオンズに入団します。この時、荒川はすでに30歳でしたが、高額な契約金と年俸を得ることとなりました。特に左翼手として起用され、四番打者に定着して149試合に出場しましたが、成績は打率.225と安定には至りませんでした。

翌1957年には高橋ユニオンズが大映スターズと合併し、大映ユニオンズとなりましたが、荒川にとって出場機会が減った年でした。この年を最後に彼は引退を決意します。

引退後の活動

現役引退後、荒川は東洋レーヨンの監督に就任し、その後は帝京大学の総監督を務めるなど、指導者としても充実した時間を過ごしました。そして早稲田大学野球部のOB会長にも就任し、学生野球の発展に尽力しました。彼の経験と知識は多くの若者に受け継がれ、後進の指導に大きな影響を与えました。

最期の時

荒川は2010年8月24日に胃癌のため亡くなりました。享年84歳の彼は、野球界に多くの功績を残し、後輩たちにその知恵や技術を伝えていった素晴らしい選手であり、指導者でした。

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