腐女子 - A Wife And The Child Are Corrupt

腐女子

2009年に製作・発表された日本のオリジナルビデオ作品である。洋画のカルト作品などを専門に取り扱う映像ソフトメーカー、WHDジャパンが手掛けたオリジナルビデオシリーズの第三弾としてリリースされた。本作では、これまで同社作品で特殊メイクや総指揮などを担当してきた仲谷進が、自身にとって初の長編監督作品としてメガホンを取っている。主演は高寺裕司、品川美月、そして横山龍之介が務めた。

製作背景とスタッフ

WHDジャパンは、ユニークな視点とインディペンデント精神あふれる作品を世に送り出していることで知られるメーカーである。本作もそのラインナップの一つとして位置づけられる。監督の仲谷進は、特殊メイクアップアーティストとしてのキャリアが長く、その経験が本作の視覚表現にも影響を与えていると考えられる。当初、別の人物が監督を務める予定であったが、健康上の理由で降板したため、製作に深く関わっていた仲谷が進んでその役を引き受けたという経緯がある。

製作スタッフには、WHDジャパン作品で連携しているお馴染みのメンバーが多数名を連ねている。原作は作家の阿見松ノ介、総指揮は松村仁史が担当した。特殊メイクは監督である仲谷進自身が手掛けている。また、助監督として松平哲郎が参加している。このように、信頼できるスタッフが結集して本作は製作された。特に注目すべき点として、映画評論家としても活動し、『大蔵映画』や『必殺シリーズ』に関する著作でも知られる山田誠二が、劇中に登場する刑事役でゲスト出演していることが挙げられる。これは、本作が単なるホラーにとどまらない、映画愛好家向けの隠れた魅力を持っていることを示唆している。

あらすじ

物語は、長い間子宝に恵まれずに苦悩する夫婦、勝也と佐里の姿から始まる。特に妻の佐里は、子供がいないことへのプレッシャーから精神的に不安定な状態に陥っていた。ある日、夫の勝也は道端で出会った謎めいた魔女から、子供を授かる方法を教えられる。それは、ある特別な「モノ」を用意するという条件付きだった。夫婦は藁にもすがる思いで、魔女の言葉に従い、その困難な課題を乗り越えようと奮闘する。

彼らの努力が実り、ついに可愛らしい娘マコを授かることができた。マコの誕生によって、夫婦は長年の苦しみから解放され、ようやく心の平穏を取り戻していく。勝也と佐里は、愛娘マコを慈しみながら、幸せな家庭を築いていくかに見えた。しかし、運命は残酷だった。幼いマコが、公園で遊んでいた最中に不慮の交通事故に遭い、帰らぬ人となってしまう。

愛する娘を突然失った夫婦の悲しみは計り知れない。彼らは現実を受け入れることができず、絶望の淵に立たされる。理性では考えられない行動として、彼らは再びあの魔女のもとを訪れ、どんな犠牲を払ってでもマコを生き返らせてほしいと懇願する。魔女は夫婦の願いを聞き入れ、マコを蘇らせる。

しかし、蘇ったマコの姿は、彼らが想像していたものとはあまりにもかけ離れていた。マコの身体は生気を取り戻すどころか、全身がただれ、腐食が進行し続けるおぞましい状態だったのだ。それは、文字通り「腐女子」と呼ぶにふさわしい姿であった。

この衝撃的な現実を突きつけられた夫婦は、再び深い絶望に襲われる。魔女は、マコの腐敗を止め、元の姿に戻すための唯一の方法を告げる。それは、生きている人間の肉をマコに食べさせるという、おぞましいものだった。愛娘を救いたいという親心と、決して許されない行為との間で葛藤しながらも、夫婦は次第に常軌を逸した行動へと駆り立てられていく。物語は、禁断の行為に手を染めた夫婦のたどる悲劇的な運命を描いていく。

主なキャスト

合田勝也：高寺裕司 - 子宝に恵まれないことに悩む夫。
合田佐里：品川美月 - 精神的に不安定な妻。
合田マコ：横山龍之介 - 事故で命を落とし、異形となって蘇る娘。
魔女：劉麗華 - 夫婦に子を授けるが、悲劇のきっかけとなる存在。
三木部長：みぶ真也 - 勝也の職場の人物。
ベテラン刑事：山田誠二 - 事件に関わる刑事。
* 小池さん：浅尾典彦 - その他の登場人物。

関連情報

オリジナルビデオ『腐女子』に関する情報は、公式ウェブサイトにて公開されていたほか、映画データベースサイトのallcinemaにも登録されている。これらの外部リソースを参照することで、作品の詳細なデータや評価などを確認することができる。

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