大杉宜弘

大杉 宜弘 (おおすぎ よしひろ)

大杉宜弘は、1974年1月17日生まれの日本のアニメーター及び演出家で、北海道旭川市にルーツを持ちます。アニメ業界において多彩なキャリアを持っており、特に『ドラえもん』シリーズでの貢献度が高く評価されています。彼の名前には時折「大杉宣弘」といった誤表記も見られます。

経歴と人物像

大杉は幼少期を旭川市で過ごした後、札幌市に移住しました。幼少時から藤子不二雄や手塚治虫の作品に影響を受け、漫画家を志しました。高校時代には、小学館にギャグ漫画の原稿を持ち込むも、「2、3年かかるだろう」と言われ、思わず帰ってしまった経験があります。

高校卒業後は代々木アニメーション学院札幌校の第1期生となりますが、1993年に中退。その後、亜細亜堂に入社し、アニメーターとしてのキャリアをスタートさせます。彼の初仕事は『忍たま乱太郎』の動画制作でした。

1997年には亜細亜堂を辞し、フリーランスとして活動を開始します。自身のキャリアの転機となったのは、1999年に原画を担当した『のび太の結婚前夜』です。この作品には以前からの知り合いであるアニメーターの加来哲郎に誘われて参加したものの、初回打ち合わせに寝坊してしまい、当初は監督である渡辺歩も驚いていたというエピソードがあります。

大杉はその後、渡辺と共に作り上げたギャグシーンを高く評価し、彼のスタイルを理解してくれたことに感謝していました。『結婚前夜』以降、他の『ドラえもん』シリーズへも作画及び演出面で大きく関与するようになり、2015年には『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』で初めて監督の役割を担います。

重要な役割

2017年からは、「ドラえもん」テレビアニメのチーフディレクターに就任し、その役職を任期満了まで務めました。大杉は様々なアニメ制作スタジオに参画し、特に亜細亜堂やシンエイ動画、スタジオジブリといった名門のプロジェクトにも多く関わっています。

参加作品

テレビアニメ

• - ドラえもんシリーズ

- 『ドラえもん』（1979年 - 2005年、原画）
- 『ドラえもん』（2005年 - 、絵コンテ・演出・作画監督・原画 → チーフディレクター・キャラ設定・絵コンテ）

• - 忍たま乱太郎（1993年 - 、動画・原画）
• - とっても!ラッキーマン（1994年、#26動画）
• - (他、多数)

劇場アニメ

• - 映画ドラえもんシリーズ

- 『のび太の結婚前夜』（1999年、原画）
- 『ドラえもん のび太の宇宙英雄記』（2015年、監督・キャラクターデザイン原案・絵コンテ）

• - クレヨンしんちゃん等、多数

アニメーションの世界で創造性豊かな作品を生みだし続ける大杉。彼の技術と独自の視点が、今後も多くの心に残る名作を作っていくことでしょう。

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