大村能章

大村 能章について

大村能章（おおむら のうしょう）は、1893年12月13日に山口県防府市で生まれた日本の作曲家で、本名は大村秀弌です。彼の音楽活動は昭和時代にまで及び、多くの名曲を残しました。生家は米穀商で、長男として育てられました。

略歴と音楽キャリア

大村は1909年に横須賀海軍軍楽隊に入隊し、ここで音楽の基礎を学びました。1920年に結婚し、1女をもうけると、1926年には再び東京に上京し、作曲家としての道を歩み始めます。彼の活動の一環として、1931年には日本歌謡学院を設立し、若手音楽家の育成に尽力しました。

1933年には、レコード音楽芸術講義録を出版し、通信教育を通じて音楽の普及に貢献しました。その後も、多くの曲を発表し、1935年には藤田まさとの歌詞による「旅笠道中」が大ヒットを記録。これにより、彼の名前は広く知られるようになります。

1947年には、日本音楽著作者組合を設立し、音楽著作権の保護に力を入れました。また、1957年には社会奉仕活動として「能章会」を立ち上げ、地域社会に貢献しました。1958年には日本作曲家協会の設立にも参加し、後進の作曲家を支援しました。

1962年1月23日、肺癌により69歳で逝去。彼の死後も、生誕地の防府市に顕彰碑が建てられるなど、功績は後世に引き継がれています。

代表的な作品

大村能章は多くの楽曲を作曲しましたが、その中でも特に著名な作品としては以下のようなものがあります：

• - 城崎温泉節（昭和元年、野口雨情作詞）
• - 旅は鼻唄（昭和10年1月、佐藤惣之助作詞）
• - 旅笠道中（昭和10年4月、藤田まさと作詞）
• - お夏清十郎（昭和11年4月、佐藤惣之助作詞）
• - 戦友の唄（後に「同期の桜」として有名、昭和14年7月、西條八十作詞）

これらの楽曲は、すべて彼の独自のメロディーと歌詞によって、今なお多くの人々に愛されています。特に「同期の桜」は多くの戦争歌の中でも特に価値が高く、当時の感情を音楽を通じて表現した作品として評価されています。

大村能章の遺産

大村は「同期の桜」について、自身が作曲したことを隠していたというエピソードもあり、彼の謙虚な一面が垣間見えます。その影響力は計り知れず、彼の作品は今でも演奏され続けています。また、音楽教育の分野にも貢献したことから、後世の音楽家に多大な影響を与えました。

大村能章の音楽は、日本の歌謡文化における重要な一部であり、彼の楽曲を通じて日本の文化と歴史を感じることができるでしょう。

もう一度検索