大東塾

大東塾の概要

大東塾（だいとうじゅく）は、1939年4月3日、影山正治により設立された日本の右翼団体です。この団体は、一般に不二歌道会と共に「大東塾・不二歌道会」として知られています。大東塾では、歌道を通じて人間性の向上を図り、人格の陶冶や徳性を重視してきました。特に大東塾は、国体を重んじ、天皇を中心とした思想を基盤としているため、「伝統右翼」に分類されています。

歴史と理念

大東塾は、西郷隆盛や大アジア主義を唱えた玄洋社や黒龍会の思想を受け継ぎながら、社会の矛盾を克服し、革新を目指す運動を展開してきました。影山は、「昭和維新断行」による国家革新を目指し、個人の生命を国家のために捧げる「没我献身」や「救国捨石」の思想を体現したといいます。その運動は、単なる右翼活動を超えて明治維新の理念を引き継ぐものでした。

影山はまた、維新者と革命家の違いについての考えを述べており、「革命家は憎しみに立ち、維新者は涙に立つ」との言葉で、真の維新者には高い精神性が必要であると強調しました。

大東塾の活動

大東塾は、政治的にも強い影響力を持ち続け、右翼や政界において重要な役割を果たしてきました。団体の活動には、祭典や集会の開催、馬場での講演会などが含まれており、現在も多くのイベントを主催しています。特に、不二歌道会は1941年に設立され、その後、大東塾の活動の中核を担っています。

大東塾は、終戦後も教育や文化活動を行い、1965年には学生寮を設立。また、歌道や神道、国学に傾倒した人々のための研修施設を運営し、その活動を通じて多くの人々が影響を受けてきました。

生徒たちの自決

1945年8月25日、敗戦を受けて大東塾の影山庄平を含む14名が代々木練兵場で集団割腹自決を行いました。この自決は、神道の信仰に基づくものであり、亡き者への誓いや国への献身の表れとされています。影山は当時、戦争に出征中であったため参加できませんでしたが、その行動は歴史に深く刻まれています。

その他の事件や活動

大東塾の歴史には、さまざまな事件があります。1943年には、神式での戦歿者公葬についての公然とした抗議があったり、同年には影山に対する新聞紙法違反が取り沙汰されるなど、団体としても多くの試練を経験しました。また、靖国神社の国家護持運動に関しても積極的に関与し、その影響力を誇示しています。

現在の大東塾

現代においても、大東塾は保守運動の一環として存在し続けています。文化講座や武道教室など多様なプログラムを運営しており、影山の遺志を継いでいる人々が活動を展開しています。また、青梅市にある大東農場では、影山が築いた農業と文化の融合を目指し、様々な農業活動が行われています。そこには影山を追悼するための神社や碑も建立されており、彼の思想と活動の象徴となっています。

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