大槌島

大槌島（おおづちじま）

大槌島は、瀬戸内海に位置する無人島です。島の中心を県境が走り、北側が岡山県玉野市、南側が高松市に属しています。地理的な特徴や歴史的背景から、興味深い特徴を持つ島です。

地理

大槌島は備讃瀬戸に位置し、本州と四国が最も近づく場所にあります。島の北側は日比灘、南側は大槌瀬戸と呼ばれ、いずれも豊かな漁場となっています。島全体が円錐状の山であり、平地は存在しません。

行政

岡山県側は玉野市日比五丁目、香川県側は高松市亀水町に属しています。無人島であり、定住者はいません。

歴史

大槌島の周辺海域は、サワラの産卵場として古くから知られ、備前国（岡山県）と讃岐国（香川県）の漁師たちが漁場として利用していました。豊かな漁場を巡り、両国間で領有権争いが絶えなかったため、現在も島内に県境が残っています。

領有権争い

江戸時代、岡山藩と高松藩の間で大槌島の領有権を巡る紛争が発生しました。1732年、幕府の裁定により、島の中心に両国の境界線を設けることで決着しました。この裁定は、島の位置が讃岐寄りであるものの、備前側の漁民が開墾した畑が存在することを考慮したもので、境界線の東側の漁場を両国で等しく分割することとなりました。

民話

大槌島には、竜や大蛇に関する伝承など、複数の民話や伝説が残っています。

樽流し伝説

大槌島以西の境界を決定する際に、備前側の菅野彦九郎が樽を流して境界を決めようと提案しましたが、潮流が予想と異なり、讃岐側に有利な結果になったという伝説です。この伝説は、備前側の後悔と不覚を語り、讃岐側を悪知恵の働く悪者として描かれることが多いですが、後世の創作であるという指摘もあります。実際には、塩飽諸島の高い造船力と自治権が背景にあり、明治維新後に塩飽諸島が香川県に引き継がれたことが、現在の県境に繋がっています。

関連項目

島内に県境がある島として、以下のものがあります。

取揚島：兵庫県赤穂市・岡山県備前市
井島（石島）：岡山県玉野市・香川県香川郡直島町
甲島 (広島・山口)：広島県大竹市・山口県岩国市
瓢箪島：広島県尾道市・愛媛県今治市
大野島（大詫間）：福岡県大川市・佐賀県佐賀市

外部リンク

地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名：宇野（岡山及丸亀）

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