井島

井島の概要

井島（いしま）は、四国と本州の間に位置する直島諸島の一部で、瀬戸内海の穏やかな海に囲まれた小さな島です。島には岡山県と香川県の県境が引かれており、岡山県側では「石島」と呼ばれています。行政的には岡山県玉野市と香川県香川郡直島町に属し、郵便番号は706-0306です。2015年1月の時点で島の人口は92人、2011年には38世帯が存在し、全て岡山県側に居住していました。

地理的特徴

井島は玉野市の胸上地区から南へ約5.2キロ[[メートル]]の海上に位置しており、船での移動が必要です。主要な岬としては東端の戸尻鼻と西端のヘラガ崎があり、両者を結ぶ稜線には石島山があります。この稜線が岡山県と香川県の行政区域を分けており、どちらの地域にも特徴があります。
岡山側は農地や宅地が存在し、人が住んでいますが、香川県側は岩場のみが広がっており、かつての住人は現在はいません。

人口と社会

井島の人口は高齢化が進んでおり、2011年には103人でしたが、その多くは50歳以上です。少子高齢化が進む中で、島のかつての学校であった玉野市立胸上小学校石島分校は2011年に休校となり、最後の児童が卒業してしまいました。このように、人口の減少は少しずつ進行しています。

歴史と文化

井島には旧石器時代から縄文時代にかけての遺跡が存在し、「井島遺跡」として知られています。1951年に発見されたこの遺跡からは石器が多数出土し、地域の歴史を探る上で重要なスポットとなっています。また、縄文時代の貝塚なども見つかっており、地域の文化や歴史を考える上で価値のある場所です。

井島は古くから好漁場として知られ、領有権の争いも絶えなかったため、県境が設けられています。1702年には境界論争が起き、現在の県境が決定され、数人の農民が移住し開拓を行いました。人口が急増し、1742年には56人に達しました。

生活と産業

井島の住民は深い結びつきを持ち、ほとんどが知人や親戚です。生活は本土に密接に関連しており、日常的に本土に出て生活必需品を購入するなどの活動が行われています。

交通手段としては、最近運行が始まった宇野港への定期便があり、予約制で12名までの乗客が利用できます。また、以前はスクールボートも利用されていましたが、島内の学生が卒業したことにより運行が終了しました。


産業面では、現在の主な業種は水産業で、岡山内の漁協に属していて、沿岸漁業や海苔養殖を行なっています。季節によって忙しさが変わるも、漁獲高の減少が影響を及ぼしています。養殖において必要な資機材は高価なため、収入が安定しにくいのも現実です。

環境と生活

井島では生活用水や廃棄物処理も本土に依存している部分があります。郵便の集配や通信環境の改善が行われ、インターネット利用も進んでいます。住民は地域で生まれ育った人が多く、生活環境は独自のものとなっています。

観光名所

島内には古墳や様々な文化財が存在し、特に石島古墳は重要な史跡とされています。これらの遺跡は、地域の歴史と文化の深さを示しています。

井島は自然豊かで、歴史を背景に持つ地域でありながら、人口減少や高齢化といった現状に直面しています。それでも、住民の結びつきや地域を大切にする姿勢がこの小さな島の魅力となっています。

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