大橋力

大橋 力の人物紹介

大橋力（おおはし つとむ）は1933年3月14日に栃木県小山市で生まれた日本の科学者であり芸術家です。彼は、文明科学研究所所長や星槎大学の客員教授を務め、幅広い分野でその名前を馳せています。

学歴と経歴

大橋は栃木県立栃木高等学校を卒業後、東北大学の農学部農芸化学科に進学し、1975年に「麦角アルカロイドの生合成に関する研究」により農学博士の学位を取得しました。その後は筑波大学の講師を経て、文部省放送教育開発センターの教授、千葉工業大学の教授としても活躍しました。また、国際電気通信基礎技術研究所の人間情報通信研究所で感性脳機能特別研究室の長を務めたことでも知られています。

さらに、公益財団法人国際科学振興財団の理事や情報環境研究所の所長としても多くの活動に携わりました。特に彼はバリ島に深い造詣を持っており、現地の文化を称えるダルマ・クスマ勲章を外国人として初めて受けました。

専門分野

大橋の研究分野は多岐にわたり、情報環境学、感性科学、演出工学、分子生物学、人工生命、生態人類学などを含れています。彼の科学的貢献は、特に人間と環境との関係や情報技術の進展における感性の重要性を探求することで知られています。

芸術活動

科学者としての活動だけでなく、1974年にはアーティスト集団「芸能山城組」を創設しました。彼は山城祥二の名義で作曲、指揮、演出に関わる多くの公演を行っており、科学と芸術の融合を体現しています。彼の芸術活動は、聴衆に深い感動を与え、作品の中で科学的視点を取り入れることが特徴です。

著作

大橋は多くの著書を執筆しています。彼の著書の一部を以下に示します：

• - 『群れ創り学』 (山城祥二著, 徳間書店, 1981年)
• - 『情報環境学』 (朝倉書店, 1989年)
• - 『音と文明—音の環境学ことはじめ』 (岩波書店, 2003年)
• - 『ハイパーソニック・エフェクト』 (岩波書店, 2017年)

また、彼は多くの編著や共著にも参加しており、特に感性情報や生命文明についての議論を展開しています。これらの著作は、未来の社会における科学の役割や人間の感性を考える上で重要な影響を与えています。

受賞歴

大橋は彼の業績により、多くの受賞歴を持っています。1992年にはダルマ・クスマ勲章を受賞し、2000年には中山賞大賞を受賞しました。さらに、2004年の木村重信民族藝術学会賞、2015年の日本プロ音楽録音賞の審査員特別賞、2019年のSuksma Bali Award、2020年の文化庁メディア芸術祭功労賞を受賞するなど、彼の多面的な才能が評価されています。大橋力は、科学と芸術の架け橋として、今後も多くの分野での活動が期待される人物です。

もう一度検索