大橋弘

大橋弘：経済学の最前線を牽引する研究者

大橋弘（おおはし ひろし）氏は、1970年生まれの日本の経済学者です。東京大学大学院経済学研究科の教授として、次世代の経済学研究者を育成する傍ら、東京大学副学長という要職も担っています。専門分野は産業組織論と経済政策であり、特に競争政策と科学技術イノベーション政策に関する研究で高い評価を受けています。

学歴と職歴

大橋氏は、1989年に駒場東邦高校を卒業後、1993年に東京大学経済学部を卒業しました。その後、東京大学大学院経済学研究科に進学し、1995年に修士号を取得。さらに研究を深めるため、アメリカのノースウェスタン大学に留学し、2000年にPh.D.（博士号）を取得しました。

帰国後は、ブリティッシュ・コロンビア大学のSauder School of Businessで助教授として教鞭を執った後、2003年に東京大学大学院経済学研究科の助教授に就任。2007年に准教授、2012年には教授へと昇進し、現在に至ります。また、2022年からは東京大学副学長としても大学運営に携わっています。

研究分野

大橋氏の主な研究テーマは、産業組織論と経済政策です。特に、企業の競争戦略や市場構造、そしてそれらが経済全体に与える影響を分析しています。また、競争政策においては、独占禁止法や公正取引に関する理論的・実証的な研究を行い、政策立案に貢献しています。科学技術イノベーション政策においては、技術革新が経済成長に果たす役割に着目し、イノベーションを促進するための政策提言を行っています。

主要な著書

大橋氏は、数多くの著書や論文を発表しており、その研究成果は広く社会に貢献しています。主な著書として、以下のようなものがあります。

『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる 実戦編』（KADOKAWA、2023年）
経済学の基礎をわかりやすく解説し、実社会での応用例を紹介しています。
『EBPMの経済学』（東京大学出版会、2020年）
政策立案におけるエビデンス（証拠）の重要性を説き、データに基づいた政策決定の必要性を訴えています。
『プロダクト・イノベーションの経済分析』（東京大学出版会、2014年）
新製品開発における企業の戦略や、イノベーションがもたらす経済効果について分析しています。
『経済学は何をすべきか』（岩井克人、他、日本経済新聞社、2014年）
経済学の役割について、他の経済学者とともに論じています。
『日本発！エネルギー新産業　グローバルで勝つ3つのビジネス戦略』（日経BP社、2013年）
　エネルギー分野におけるイノベーションとビジネス戦略について、他の専門家とともに議論しています。
『モバイル産業論』（東京大学出版会、2010年）
モバイル産業の発展と競争について、理論的・実証的な分析を行っています。

これらの著作は、経済学の研究者だけでなく、ビジネスパーソンや政策担当者にとっても、有益な情報を提供しています。

受賞歴

大橋氏は、その卓越した研究業績により、数々の賞を受賞しています。主な受賞歴は以下の通りです。

Young Economist Essay Prize（the EARIE、2001年）
第1回 宮澤健一記念賞（公正取引協会、2010年）
第3回 円城寺次郎記念賞（日本経済新聞社、2012年）
第9回 日本経済学会石川賞（2014年）

これらの受賞歴は、大橋氏の研究が国際的に高く評価されていることを示しています。

まとめ

大橋弘氏は、経済学の理論と実証の両面に精通した研究者であり、産業組織論、経済政策、競争政策、科学技術イノベーション政策といった幅広い分野で重要な貢献をしています。また、教育者としても次世代を担う人材を育成し、その活躍は経済学界だけでなく、社会全体に影響を与えています。今後も、経済学の発展に大きく貢献していくことが期待されます。

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