大正池 (井手町)

大正池：自然と歴史が息づく灌漑用ダム湖



大正池は、京都府綴喜郡井手町に位置する灌漑用ダム湖です。淀川水系の玉川に建設された重力式コンクリートダムであり、農業用水の供給を担っています。その歴史は古く、地域の人々の生活と深く結びついてきました。

南山城水害からの復興



現在の大正池は、過去の災害を乗り越えて再建されたものです。昭和28年の台風13号による南山城水害では、旧大正池の堤防が決壊し、下流の井手町に甚大な被害をもたらしました。この災害を教訓に、旧大正池と旧二の谷池の跡地を再構築する「淀川水系改修基本計画」が策定され、1960年に現在の大正池が完成しました。

大正池グリーンパークとして



1994年以降は周辺整備も進められ、2004年には井手町野外活動センター「大正池グリーンパーク」がオープン。バンガローやキャンプ場などが整備され、自然に親しむことができる憩いの場として親しまれています。京都府内の農業用ため池としては唯一のコンクリートダムであり、府内最大級の規模を誇ります。

豊かな自然と環境保全



大正池周辺は豊かな自然に恵まれ、地域住民やボランティア団体によって環境保全活動が行われています。NPO法人が中心となり、自然観察やため池の管理などを行い、企業との協働で山林の整備も進められています。2019年からは公益財団法人が指定管理者として運営に携わり、より一層の活性化が期待されています。

多様な魅力



大正池は、その美しい景観から「井手町大正池 癒しと交流の空間」として京都府景観資産に選定されています。また、平成の名水百選「日本六玉川」の一つである井手の玉川の源流でもあり、その清らかな水は地域を潤しています。2010年には農林水産省のため池百選にも選ばれました。

大正池は、農業用水の供給という役割だけでなく、自然とのふれあいや地域住民の交流の場として、多岐にわたる役割を担っています。歴史と自然が織りなす美しい景観の中で、訪れる人々は心身ともにリフレッシュできるでしょう。

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