大殿英武

大殿英武（だいでん えいぶ）は、1970年9月8日に青森県青森市で生まれた元大[[相撲]]力士です。本名は伊藤英武（いとう えいぶ）といい、大鵬部屋に所属していました。身長175cm、体重127kgで、得意手は左四つ、下手投げでした。趣味は音楽鑑賞です。

青森市立甲田中学校時代には柔道部に所属し、全国大会に出場するほどの腕前でした。中学卒業時には角界入りを希望しましたが、身長が足りなかったため一度は断念し、青森県立青森北高等学校に進学しました。しかし、大鵬親方（元横綱・大鵬）から「身長が伸びたら来なさい」と声をかけられたことで、身長が規定に達したため高校を中退して上京し、大鵬部屋に入門しました。1986年9月場所に初土俵を踏みました。

入門前の相撲経験はほとんどありませんでしたが、持ち前の素早い出足で期待され、三段目上位まで順調に番付を上げました。しかし、左眼の網膜剥離を発症し、番付を下降させます。その後、一時的に復調したものの、今度は右眼も網膜剥離を患い、引退を考える時期もありました。それでも、師匠の励ましを受け、不屈の闘志で番付を上げ、幕下に定着しました。そして、1994年3月場所には十両に昇進を果たしました。

左四つを得意とし、右前褌を取ると力を発揮しました。また、足腰が強く、土俵際で攻め込まれても粘り強い相撲を見せました。しかし、新十両の場所では本来の相撲が取れず、5勝10敗と負け越し、幕下に陥落しました。その後、網膜剥離、腰痛、痛風といった相次ぐ怪我や病気に苦しみ、低迷しました。十両復帰を目指して長く幕下、三段目で相撲を取り続けましたが、2001年5月場所を最後に現役を引退しました。

学生時代は学業も優秀で、高校を中退して大鵬部屋に入門する際には、高校から授業料の免除も打診されたそうです。幕下時代に名乗っていた砲岩の四股名は、大のプロレス好きであった本人が、アメリカ人プロレスラーのハルク・ホーガンに由来しています。

生涯成績は324勝286敗14休、勝率は.531です。十両成績は5勝10敗、勝率は.333でした。現役在位は89場所、十両在位は1場所でした。

改名歴は以下の通りです。
伊藤 英武（いとう えいぶ）：1986年9月場所 - 1988年5月場所
砲岩 英武（ほうがん -）：1988年7月場所 - 1992年5月場所
* 大殿 英武（だいでん -）：1992年7月場所 - 2001年5月場所

大殿英武は、数々の苦難を乗り越え、土俵人生を全うした力士でした。

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